第七十五話 出たよ、厨二的な敵が……
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その言葉でピンとくる。
「アンタ……学園生か?」
闘悟が転校生だと知っているということは、同じ『ヴェルーナ魔法学園』の生徒である可能性が高い。
「そうだ。まずは名乗ろうか。俺はフービ・ジン・トレドナム。『五色の統一者(カラーズモナーク)』が一人、『黄鬼(おうき)』だ。覚えておけ」
『五色の統一者(カラーズモナーク)』……?
確かウサミミボインがそんなことを言ってたような……。
それにそいつらが……。
「これはこれは、そんな有名人がどうしてオレなんかを狙ってるんだ?」
そう、オレを狙ってると言っていた。
「ふっ、よく狙ってると分かったな?」
「ああ、おせっかいなウサミミが教えてくれたからな」
「何? ちっ……あの獣人が」
不機嫌そうに顔を歪めながら声を漏らす。
どうやらウサミミ獣人のシャオニとは仲が悪いみたいだ。
「それで? オレの後をつけて何か用か?」
「そうだったな。お前に伝えることがあった」
「伝えること?」
「お前、予選番号は明日のSだろ?」
「……そうだけど?」
何故知っているとは聞かなかった。
調べようと思ったら幾らでも調べられるし、別にバレたところで支障は無いからだ。
「俺も同じだ」
「……アンタもクジ運悪いんだな」
「そうか? 俺は幸運に歓喜したがな」
フービは楽しそうに口角を上げる。
外見は昔見たホラー映画に出てくるフランケンみたいなので、笑うと少し怖い。
「そんなにオレとバトりたかったとか?」
「その通りだ。お前なら必ず楽しい闘いになる」
だからニヤッとするな怖いから!
心の中で苦笑しながら、それを表に出さないように努める。
「それを伝えるためだけに後を?」
「そうだ。お前が逃げないようにな」
闘悟は尊大そうに言葉を発するフービを半目で見る。
「……アンタ、オレとリューイの決闘は知ってるよな?」
「ああ」
「聞いたぜ? アンタ、前大会でリューイと互角の闘いをしたんだってな。なら、オレの力は分かるはずだけど?」
するとフービは愉快そうに笑う。
だから笑うなっての。
「これを見ろ」
そう言って右腕の袖(そで)を上げる。
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