第七十四話 ファンタジー種族キターーーーーッ!
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いた。
「魔力はひとそれぞれ違う。まあ、指紋みたいにな」
闘悟は皆に手の平を見せる。
他の者も自分の手を釣られて見る。
「だけど、大まかな質は同じだ。人間は人間。獣人は獣人て感じでな。色で言うと人間は青、獣人は赤って感じだろ?」
実際に闘悟の目にはそのように見える。
当然他の者もそういうふうに見えてると思っていたので同意を得るために聞いたのだが、返って来た答えは予想外のものだった。
「貴様、魔力を視認できるのか?」
ミラニは怪訝(けげん)な表情で聞いてくる。
え? もしかしてみんなできないのか?
「ああ、そんなに珍しいものなのか? できるのオレだけとか?」
「い、いや、確かに魔力視認できる者も存在する。だが、珍しい能力なのも確かだ」
「へぇ」
それは知らなかったぞ。
最初から見えてたからみんなできるって思っていたな。
「まあ、それで話は戻すけど、アイツの魔力は人間でも獣人でもねえ」
闘悟の目にはヤーヴァスの魔力が黄色に見える。
種族が違うということだ。
「なるほど、魔力視認できるなら分かるだろうな」
「んで? アイツは何だ?」
「エルフだよ。彼はエルフだ」
「マ、マジッ!? そっかぁ〜! へへ、そりゃいいもん見たな!」
闘悟は嬉しそうに笑みを溢(こぼ)す。
ファンタジーな世界に来たら、是非会ってみたい種族がエルフだった。
突然に願いが叶って闘悟は喜んだ。
だが、できれば最初に会うエルフは女性が良かったと思わないでもない闘悟だった。
最初に見たネコミミも、残念ながら野郎だったので、もしかして自分には男と縁があるのかと疑ってしまっていた。
「い、いきなり何だ、その喜びようは?」
「だってよ、エルフだぞエルフ! 会ってみたかったんだよ!」
「そ、そうか? そ、それは良かったな」
闘悟の興奮した様子に、少し引き気味に返答するミラニ。
「そういや、やっぱエルフって耳が尖(とが)ってるのか?」
「ま、まあな」
「でもよ、耳……尖ってないよな?」
外見上、ヤーヴァスの耳が尖ってないのだ。
というより髪の毛で隠れていて確認できない。
いや、たとえ髪の毛に隠れていようが、見えていてもおかしくはないのだ。
だから彼がエルフだとは思えなかったのだ。
「それは、奴が意図的に隠しているからだ」
「隠してる? 何で?」
「ま、いろいろあるのだが……」
そう言ったミラニの表情に、少し暗いものが見えた。
言い難そうに顔をしかめている。
何か深いわけがあるのかもしれない。
これ以上は聞くのを止めようと思い、違うことを
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