第七十四話 ファンタジー種族キターーーーーッ!
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決着が着き、闘武場を割れんばかりの歓声が包む。
「うむ、さすがはヤーヴァスだ」
ミラニは当然だと言わんばかりに頷く。
だが、確かに一回戦の内容からしてヤーヴァスの実力は他の者を圧倒していた。
相手が弱かった。
そう言うのは簡単だが、自分以外の全員を敵に回しての快勝。
それは紛(まぎ)れもなくヤーヴァスが強かったからだ。
だが闘悟は、試合結果よりも気になっていることがある。
それはメイムのことだ。
もう一度メイムがいた所に視線を向ける。
しかし、すでにそこにはメイムはいなかった。
目だけ動かして周囲を観察してみるが、もう闘武場から出て行ったのか姿が見えない。
闘悟が心ここにあらずのような雰囲気を気にしたのか、クィルが声を掛けてくる。
こんなふうに気づかれないように目だけを動かしていたのだが、クィルには気づかれたみたいだ。
「あ、あのトーゴ様? どうかしましたでしょうか?」
「ん? いんや、別に何でもねえよ」
クィルにはまだ言えない。
見間違いだとは思えないが、あれが本人だとしても、簡単に口にできるような出来事だとは思えなかったからだ。
「気になること……ある……の?」
闘悟の様子を敏感に感じたのはヒナも同じだった。
ハロもヒナにつられたように顔を向けてくる。
闘悟は二人の頭に手を当ててニコッとした。
「なあに、ちょっとあのヤーヴァスって奴のこと気になっただけだって」
「気になった……ですか?」
クィルが首を傾げて聞いてくる。
そして、闘悟はもう一つ気になっていたことを話す。
「ああ……なあミラニ?」
急に声を掛けられて眉を寄せる。
「何だ?」
「アイツ……人間じゃねえだろ?」
「……っ!?」
闘悟の言葉はそこにいた全ての者に衝撃を与えた。
だが、その様子を見た闘悟は慌てて言い直すことにした。
「ああ悪い。人間って種族じゃねえだろってことだよ」
「あ、ああ……そういうことか」
ミラニは胸を撫で下ろしながら言う。
確かにいきなり見知っている者が人間ではないと言われれば戸惑うのも仕方が無い。
「だが、何故気づいたのだ?」
今の言葉で、やはりミラニは知っていると判断できた。
そして、皆が闘悟に注目する。
「まあいろいろあるけど、一番は魔力の質……かな?」
「魔力の質……ですか?」
クィルも興味が湧いたように口を開く。
「そうだな……今までオレの周りにいた種族ってのは人間、そして獣人だ。この大会にも一杯いる」
開催宣言の時にも周りを観察したが、多くの人間や獣人が
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