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トーゴの異世界無双
第七十三話 第一回戦決着したぜ!
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ち向かうのでしょうかぁ!?」


 モアの実況の熱に当てられ観客達も盛大に盛り上がる。
 そしてまたヤーヴァスは対戦者に向かって走る。


「……あと六人」


 ヤーヴァスは確認するように声を出す。


「……あと五人」


 そう言いながら数を減らしていく。
 いよいよ残り二人になる。
 場に立っているのは三人だ。
 ここまであっという間の出来事だった。
 観客の中にも、あまりの速さに口をポカンと開けている者もいる。


「さあ! いよいよ大詰(おおづ)めです! この三人の中から果たして誰が勝つのでしょうかぁ!!!」
「はい、ですが残りの二人はなかなかの実力者ですよ」


 モアの言葉に応えるように言ったのはフレンシアだ。


「それはどういうことでしょうか?」
「残りの二人。一人は『角のある妖精(フェアリーホーン)』の実力者と名高いロイさん。そしてもう一人は我が『ヴェルーナ魔法学園』の生徒であるカンクさんです」
「ほぅ、ロイ選手はともかく、そのカンク選手はそれほどの選手なのでしょうか?」
「分かりません」
「へ?」


 モアが呆けたようにポカンとする。

「あ、あの……ですが今、なかなかの実力者だと……?」
「まあ、一応カンクさんは貴族ですし、ここまで残ってるわけですから、それなりに強いのではないでしょうか?」
「……そんな理由ですか?」
「はい!」


 物凄い笑顔で肯定した。
 その声を聞いていた闘悟は溜め息を吐く。


「フレンシアさんっぽい発言だなぁ」


 あれでも三賢人なんだからホントビックリだぞ。


「ごめん……ね?」


 ヒナが申し訳ないような表情をする。


「え? はは、ヒナが謝る必要なんてねえよ。それに、面白いからいいんじゃねえかな」


 ニカッと笑いながらヒナに言う。


「……ん」


 コクコクと納得したように頷く。
 よし、ヒナには暗い顔は似合わないからな。
 それにしても、最初に攻撃を仕掛けた五人は、恐らくこのロイって奴を勝ち残らせるためにヤーヴァスに向かって行ったみたいだな。
 だが、その企みはヤーヴァスと言う強大な敵の前に、あっけなく瓦解(がかい)してしまったわけだ。





「さ、さすがは『土波』だな」


 そう声を出したのは、ヤーヴァスと対面しているロイだ。
 その額には大量の汗が滲(にじ)んでいる。
 もう一人のカンクは、息も絶え絶えのような感じで肩を上下している。
 だが、その瞳にはまだ諦めていない強さが現れている。
 すると、ヤーヴァスが静かに声を出す。


「この三人が残ったのは何かの縁だ。名を聞いておこうか」


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