第6話 ロアキア動乱2
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、あまり損害を与えられないでいた。
無論、貴族連合軍の司令であるレイボルト大将はオリアスの狙いを正確に読んでいた。
「閣下、敵別動隊が背後に回り込もうとしております!」
「分かっている、ミュッツ提督の部隊を迎撃に回せ」
ロアキア軍の別動隊が貴族連合軍の背後に回り込もうとするが、予め予備兵力として戦線に参加してなかったミュッツ艦隊4000隻が迎撃に出たため背後を突くことは出来なかった。
「防がれたか、まあいい。両翼の部隊を敵に密着させ防御力を削り取るんだ!」
4個艦隊20000隻が貴族連合軍の側面に張り付いて攻撃を加える。
20000隻というのは無視できる数では無く、しかしそちらに構っていては正面のオリアス艦隊へ圧力を掛けきれない。
「閣下、このまま消耗戦になれば数で劣るこちらが不利です。いったん退きませんか?」
「こちらは半包囲されているのだ。そう易々とは退かせてくれまい。それに、このまま消耗戦になるとは限らん。仮に我々を消耗戦の末打ち破ってもその先には辺境軍や銀河帝国との戦いを控えているんだ。それは向こうも望むところではないだろう」
「なるほど、では敢えて消耗戦も辞さないという形を?」
「そうだ、消耗戦を嫌う敵軍はいったん退いて陣形を再編するだろう。それに合わせてこちらも退く」
この会話から1時間後、両軍はいったん退いて無意味な消耗戦を終了させた。
・・・・・
翌日、再編を済ませた貴族連合軍は速攻に転じ、その勢いにロアキア軍は押され始める。
「中々の勢いだな……左翼は後退、右翼は前進せよ」
ロアキア軍が陣形を斜めにシフトしていく。
「左翼の後退によってこちらの前衛を誘い込み、中堅と右翼を半回転させて側面を突く……か。だがその手には乗らんよ。全艦、敵の動きに惑わされるな! 我らが狙うはオリアスの首ただ一つぞ!」
この動きにレイボルトは惑わされず、ロアキア軍中堅のオリアス艦隊に砲火を集中する。
「ちっ、乗ってこないか……なら、このまま行くまでだ。ワイルター提督に連絡、敵の後背に出て後ろから突けとな」
「敵右翼がこちらの後背に回り込もうとしております」
「バウダー艦隊に敵の頭を抑えさせろ。それにしても、先の戦闘と同じ手で来るとは芸の無いことだな」
その後しばらく両軍の応酬が続いたが、戦況が動いたのは3時間後のことであった。
「敵右翼部隊の更に外側から艦隊が回り込んで来ます! 数、およそ9000」
「バカな!! どの部隊だ?」
「こ……これは敵の左翼艦隊です」
「左翼だと!? くっ……図られたか」
「司令官閣下、どうされますか?」
「このまま攻撃を続行する」
「閣下!」
「背後を取られたとは
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