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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第11話 「忝(かたじけな)い……」
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な」
「ご存知とは……そういえば将軍は武官でしたな」

 史実だと政治色が強いから、武官というより文官の色が濃いが……

「張遼を動かす、か……お主は何者だ? 郷循という名前は偽名にしても、名のある武将に違いあるまい」
「ああ……そういえば名乗るの忘れていました。俺は北郷盾二。一応、巷では天の御遣いなんて言われていまして」
「なに! お前がか!」

 いや、似合ってないのはわかってるよ。
 天の御遣いなんて自分で言うのもこっぱずかしい。

「まあ、言いたい奴が言っているだけです。俺は俺ですからね。それにこれらの策は俺だけで作ったのではなく、俺の配下の軍師二人と共同で作った策です。俺だけの力じゃありませんよ」
「……そうか。お前が、な……」

 馬元義が深く頷く。

「で、確認なのですが……降伏しますか? 降伏するなら将軍の立場は守ります」
「守る、とは?」
「将軍には名を捨てていただいて黄巾の一武将として助命しますよ。官への報告に名前があるとまずいのでしょう? 宦官とのことは砦にいたときに将軍の話を聞きましたので」
「ふふ……なるほど、ありがたいことだ。そうだな、部下は助命願いたい」
「……部下は、ですか。将軍は?」
「私か。郷循……いや、北郷どの。貴殿の申し出は大変嬉しいが、その前に一対一で立会いを所望する!」
「…………」

 立会い、ね……

「……なるほど。武人の誇り、ですか」
「ああ。先程までは死ぬのに何の躊躇いもなかった。部下の為に死ぬのもよいと思っていた。だが、お主が天の御遣いであるならば話は別だ! 名にし負う貴方と矛を交えるのは武人の誉れ! 何卒一騎打ちを所望する!」
「……やはり元武官、ということですね。いいでしょう」

 力を発揮できずに死ぬとなれば、武人として死よりもつらい。
 俺自身も武人であればこそ、その想いもわかる。

(かたじけな)い……」

 馬元義は幅広の剣を抜き、こちらに向けて構える。
 その周囲から、兵士たちが遠巻きに離れていく。

「こちらは無手です。いつでもどうぞ」

 俺は、AMスーツの人工筋肉を膨張させて構える。

「ゆくぞ!」

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