アインクラッド編
第1話 =始まりの時=
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いもせずに話しかけウィンドウを開いて早速購入した。慣れた手つきでその購入品を自身へ装備する。と、一瞬のうちに肩に一本の直剣が。そしてスラリと抜くと軽くブンブンと素振りをする。
「これだな。βのときから使ってるし」
「へぇ……なら俺は」
そういってある武器を購入した。キリトとは真逆の慣れない手つきで時間をかけてやっとのこと装備をすると俺の背中に現れたのは身の丈はあるかと思われる大きな両手用直剣、いわゆる大剣だ。
「……最初ッからマニアックなもの選ぶなぁ…」
「大剣ってロマンあるじゃん」
そうだ、これだけの理由だ。その理由にキリトのみならずクラインですらあきれ返っている。振り回すとさすがに危ない、ということでこの剣のお披露目はフィールドに出てからだ。
あ、ちなみにクラインは曲刀を買って、キリトと同じようにブンブンと振り回していた。
――――
=第1層・始まりの町・西フィールド=
「どわぁぁぁぁ!!」
クラインが攻撃を受けてふっとんだ。戦いにおいてはまだ体が慣れていないのか攻撃を行ってもスカっとしてしまい、その隙に猪が突進しHPを削っていく。しかも今やられた場所は男性のシンボルのある場所、絶対痛い。
「うっわ……痛そうだな」
「大げさだなぁ、痛みは感じないだろ?」
隣でキリトが衝撃の事実を口にする。どうやらクラインも知っていたようで知らないのは俺だけのようだ。ほかにもこの中では俺は知らないことが多すぎてさっきも色々聞いたところだ。メニューの開き方、NPCと話す方法、他にもいろいろだ。多分一人だとできなかったから助かったけどさすがに恥ずかしかった。
「重要なのは最初のモーションだって」
「んなこと言ったってよぉ……あいつら動きやがるしよ」
「動かないモンスターってこの世界にいるの?」
「おめぇだって攻撃当てれてねーじゃねーかよ」
クラインの一言にグサッと来るが大剣だからしょうがないと開き直る。というか曲刀で攻撃を当てれないやつに言われたくないんだけど。
「ちゃんとモーションを起こして……」
キリトはそういいながら足元の石を拾い上げて構える。すると何の変哲も無さそうな石が赤く光りだして、タイミングを見計らってキリトが投擲するとまるでロケットのように石が飛んでいって猪に命中した。
「ソードスキルを発動させれば、あとはシステムが自動で当ててくれる」
「なるほど……ちょっとやってみていい?」
一言断って猪の前に立ち両手で居合いのように剣を後ろ手に構える。猪が攻撃してくるのを何とか避け続けてタイミングを見図る。
「そこからほんの少しタメを入れてスキルが立ち上がるのを感じたら……ズバァンって感じで打ち込めばいいんだよ」
ズバァン
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