アインクラッド編
第1話 =始まりの時=
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始めますと送って、深呼吸。
「………リンクスタート!!」
合言葉を口に出して俺は仮想空間へとダイブした。
___________
キャラメイクも終わってしばらくすると突然視界が明るくなり洋風な町並みが目に入った。
「…うぉぉ…!ほんとにゲームの中に入ってる……」
俺はそういいながら街中をきょろきょろと見渡したり体中をペタペタと触り始めた。据え置きゲームとは違って本当に自分の体で戦うんだな…。そんな事を実感しながら傍から見れば変人のように歩くが初めての体験なんだから仕方がないと自分の中で割り切る。十分に堪能した後視界の角にHPやらキャラの名前がいろいろあるのを見つけた。
「…そういや本名って不味かったっけ…?」
そこにあるのはRIKUYAというアルファベットの羅列だ。そのまんまローマ字読みで俺の本名そのまんまだ。今日はただ単にどんなゲームなのかなって触れてみるってことで入っただけだし、別にずっとこのゲームやるってわけじゃないしなるようになるだろう…きっと。
「何すればいいんだろ……っと」
普段やっている据え置きゲームではここいらでイベントが発生して旅の始まりなのだがオンラインゲームは初めてだ。右も左もわからない状態なので行動を悩んでいる……と、ふと目の前を何かが横切った。
「……へ?…」
イベントが何か始まったのか?と思い、慣れない体を動かして通り過ぎ去った何かを追いかける。その何かは人ごみを物ともせずにぐんぐん先へと進んでいく。現実よりもフワリとした感覚に少し気持ち悪くなりながら追いかけているとふと、その何かが足を止めた。
「おっ……おーい、ちょっと待ってーっ!!」
「……ん?」
これはチャンス、と思いダッシュしながら大声でその何かに呼びかける。嬉しいことに気付いてくれそれはこちらを振り向いた。どうやら男性プレイヤーらしい。
「やっと追いついたぁ……」
「……追いついたって、俺を追いかけていたのか?」
「あそこ歩いてたら急に目の前を通り過ぎてったの見たからさ、もしかしたら何かのイベントかなって思ってさ」
「イベントって……俺はそんなNPCみたいなキャラじゃないんだけどな」
「えっ!?そーなの?……参ったなぁ、これからどうすりゃいいんだ?」
完全にやることがわからなくなった。この人がイベント関連の何かだとすれば当面の目標が出来たわけなんだけど……。ふと顔を上げると男性プレイヤーは急に呼び止められてこれからどうすればいいのかわからず困っているようだった。
「あのさ、勝手に人のことNPCだって思ったりこんな急にで失礼だとは思うけどさ」
「…?」
「いろいろ教えてくれないか?…これからどうしたらいいとか、なにしたらいいと
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