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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第三十二章 辰の地、戦火は走る《3》
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 だから伝え損ねたことを、今の彼らに伝える。
『友情深まってるとこ悪いんですが、騎神の発進って出来ますかね? こちらと黄森の連携が上手く取れてなく、日来側と硬直してるんですよね』
「準備は出来てるさ、すぐにでも行けるぜ」
『それは嬉しい返答ですね。ではすぐに出撃してくださいね』
「了解。特に作戦は無いな」
『日来側を殺さなければ何でもいいです。指揮は隊長さんの方が良いでしょうし、任せますよ』
「なら暴れさせてもらうぜ」
 そう言い、彼方との通信を切った。
 よし、と言う言葉の後、三人は待機室から部屋の外へと出る。
 目の前にすぐ見えるのは、青い塗装がなされた騎神・戦竜。
 辰ノ大花が所有する騎神で、機動力重視なのが特徴だ。
 視界には竜を思わせるような頭部が見え、下半身は加速機が備え付けられていた。
 待機中の戦竜を見ながら、操縦席へと足を運んで行く。
 歩いて騎神の背後。戦竜の背中から多数のケーブルが、外に設置されている一つのコックピットの役目を果たす先端が尖ったカプセル状の操縦席と繋がっている。
 既にそこには出撃の準備のために、機械部の整備班が数名いた。
 視線がこちらに向いたので、手を挙げ出撃することを伝える。
 彼方はそれを確認して、慌ただしく作業の速度を上げた。
 それを見ながら、
「長が消える前提で物事を進める。皮肉なものだな」
 隊長である彼は、二人に愚痴を漏らすように言った。
 すると三人のなかで最も弱そうに見える茶髪の少年が、
「ほんとですね。でも辰ノ大花の魂がこの身に有る限り、長は俺達と共にありますよ」
 彼には似合わない言葉を言ったことで、同時に二人は彼を笑った。
「な、なんですか急に笑って。そんなに面白くありませんでしたよ」
「格好いい台詞はお前には似合わねえや」
 茶髪の少年に向かって声を出す、染めたのか緑髪の少年は笑いを堪えて言う。
「何時も教室の席で一人、小説読んでる奴が言うとこんなに面白いのな」
「なんだよ! こんな時ぐらい格好付けてもいいだろ!」
「うるさいぞ、二人共」
「ごめん」
「あいよー」
 同時に返ってきた。
「これから戦場となっている西貿易区域周辺に向かうわけだが、俺達は攻撃専門だ。日来側には騎神に対抗出来るものが限られているが、もしそれらに遭遇してしまったなら優先的にそれを潰せ」
「戦力を削ぐためですか」
「ああ、そう言うことだ。だが無理はせず、勝てないと判断した場合は待避しろ。いいな?」
「量産機のオレ達ならまだしも、隊長機のお前に限ってそれは無いだろ」
「そうだと願いたいものだな」
 操縦席に近付く彼らの元に、整備班の者達が来る。
 状況報告をしに来たのだ。
 背後に部下である学勢を置き、長年辰ノ大花の騎神の整備を携わってきた爺さ
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