いち
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いち
私が小さいときだった。4歳位だったとおもう。
12月24日のクリスマスの日、今は亡き祖母からプレゼントをもらった。
それは、真っ赤なくまのぬいぐるみだった。
そんなに大きくもなく小さくもない、普通のぬいぐるみ。
とてもかわいくて私は気に入っていた。
つけた名前は“テディ”。
家にいるときも出かけるときも、必ず持ち歩いた。
「テディは私の友達だね。」
そう話しかけるのが、私の日課になっていた。
そして現在。
私は14歳の中学生になった。
「空亜、おはよー。」
「おはよ、一美」
桐谷空亜というのが私。
一美は大切な親友だ。
「昨日さー、ゆぐむがプレゼントくれてね!みて、可愛いでしょ。」
一美はいいながら、ケータイに付いているくまのキーホルダーを見せてきた。
ゆぐむというのは一美の彼氏で、私ともなかがいい友達だ。
「可愛いね。どこでかったんだろー。」
私はそう相づちを打つ。
それにしてもくま………か。
昔、くまのぬいぐるみを大切にしてたっけ。
懐かしいな。
友達がいっぱい出来るようになってから、どこにいってしまったか分からなくなってしまったな。
「はよっす。なにしてんだ?」
その時、まだ眠そうなゆぐむが来た。
ゆぐむは顔立ちがよくて、女子からはすごく人気がある。
それでも、一美が美人だからみんなは認めているんだとおもう。
「あ、おはよっ、ゆぐむ!今日はちょっと遅かったね。」
一美はすぐにゆぐむにとびついた。
このバカップルめ…。
「空亜もおはよ。」
ゆぐむは笑顔で私にそう声をかけてくれたが、すぐに一美と二人の世界へはいってしまった。
中2で彼氏がいるなんて、羨ましいぞっ、一美。
私がひそかにそう思っていると、教室のドアが開き先生が入ってくる。
「はーい、席つけお前らー。」
元気な声のこの人は、我がクラスの担任、山倉美咲先生だ。
若いのにしっかりしていて、私はよく相談にのってもらってたりする。
「今日も1日がんばれよー。」
一通りの連絡を終え、山倉先生は教室を出ていった。
「空亜、一時間目移動だよー。
「え、うそ。ちょっと待って!」
一美とゆぐむに急かされながら準備を終えた私は、二人と一緒に急ぎ足で教室をでた。
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1日が過ぎるのは早い。
もう放課後になってしまった。
「じゃあね、空亜。」
一美とゆぐむが私に手を振る。
「うん、バイバイ二人とも。」
私たちは全員部活がバラバラで、私がバスケ部、一美が陸上部、ゆぐむがサッカー部だ。
私は少し急ぎ足で体育館に向かった。
体育館では、もうすでに半数の人がシュート練を始めていた。
ボールの間を通り抜け、女子更衣室へ足を運ぶ。
ドアを
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