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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
檻の中
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だ、何もできない己の両の手のひらに。

だから、彼は求めざるを得なかった。

それこそ、泥の中に這い蹲ろうとも。

それこそ、泥に塗れて血を吐こうとも。

マイに、意識のあるマイに聞いた。すべてを聞いた。

彼が、レンが何と戦っていたのかを。なぜあそこまでして人を助けるのかを。

一人の、もうこの世界どころか現実世界にもいない、女性のことも。

紅衣の少年が、その人を護れなかったことも。

すべてを聞いた。

この純白の少女をあの少年は護ったことを。全て聞いた。

自然と涙が零れ落ちた。

なぜだろう。共感できるはずもない。どんな理由であろうとも、彼の大罪がなくなることはたぶん一生ない。

それなのに、アスナは涙という名の液体をはしばみ色の両の瞳から零さずにはいられなかった。

なぜだろう。たぶんそれは、一生かかっても分からないのだろう。

あえてそれを既存の言葉として言い表すならば、《同情》だろう。

あまりにも辛すぎるその過去に、その小さな双肩に掛かっている重さに、きっとアスナは同情したのだろう。

そんな安っぽい言葉で片付けられることではないのだろうが。

それでも、アスナは涙を零した。マイが不思議そうな顔でこちらを見てくるのも意識せず、ただただ涙を零した。

ただただ涙を零した。

そこまでアスナが回想した時、膝の上のマイが小さく身じろぎをしたように感じられた。

「……ぅ………ん」

ゆっくりと開かれていく目蓋をアスナは見つつ、いつの間にかうっすらと瞳にたまっていた涙を払い落とした。










レン、カグラ、キリト、リーファ、そしてユイは揃って飛行を続けていた。

あのシルフ領の北東に広がる《古森》の上空、もう少しで森を抜けて高原地帯に差し掛かる辺りだ。

スイルベーンはもはや遥か後方に遠ざかり、どんなに眼を凝らしても翡翠の塔を見分けることはできない。

いわゆる中立域の奥深くに分け入っているために、出現するモンスターの強さ、出現数もかなりの数になりつつある。

だが、これまで一行がエンカウントしたモンスターの数はゼロである。それはなぜか?

その理由はいたって単純。エンカウントという言葉の内訳は、相手、つまりこの場合はモンスターに気付かれ、更に自分もモンスターに気付くと言う事である。

だが、この場合は相手が気が付いていない。よってエンカウントはしていないと言うことになる。

つまり、レンが上空を飛びながらこちらに気が付くかもしれないMobを片っ端からぶった切っていくのだ。

視界の端では、驚きと呆れ、そして微かな困惑が器用に入り混じった顔をしたリーファがこちらを見ていた。

まぁ前者についてはい
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