14 「★★★★『女王リオレイアの狩猟』」
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よろしく頼…いや、ちょっとまった」
ふと見れば、さっきまで五分五分だった戦いが傾いてきていた。
「くそ、そろそろまずいか……」
どうやら疲労が足に来たらしい。カエンヌはここは一時撤退と、ペイントボールをリオレイアに投げつけて逃げようとした。後ろを向いて3歩、後ろに感じる熱。
(ッ! 火球か!)
振り向く暇もなく前方にジャンプしてなんとか避けた。弱まった握力に持った大剣も同時に放り出す。倒れた拍子に打った右腕が悲鳴をあげた。痛みを奥歯で噛み殺して立ち上がろうとするが、膝をつく。
(しまった、足を――ッ!)
焼けた足はいうことを聞かない。視線を挙げればこちらに迫ってくるリオレイア。突進だ。これから回避するスタミナは無く、ガードする大剣も今はカエンヌの後ろ数メートルのところに転がっている。
腕に直に響くレイアの突進の振動。
(何やってるんだ、オレは)
(冷静に考えて骨折したままリオレイアに勝てるわけないだろ。ハハ、馬鹿だな)
(死ぬ、のか)
(こんなことなら言っておけばよかった)
(オディル――)
脳裏に彼女の顔が浮かんだ瞬間――
ズガァン!
――女王の頭が、地に沈んだ。
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