暁 〜小説投稿サイト〜
Monster Hunter ―残影の竜騎士―
14 「★★★★『女王リオレイアの狩猟』」
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、なんていうこと!」

 それだけ言った村長は頬に手を上げるとふらふらと椅子に座り込んだ。
 カエンヌが負傷したのはオディルを連れて逃げる時だったらしい。クルペッコの緑粘液ブレスが足に当たったカエンヌは、抱えたオディルの怪我を優先して身を呈してかばい、その際腕を地面との間に入れてしまったと。

(そういえば…ナギさんに殴りかかったとき、利き手と逆だった、気が)

 今更それに気づいたリーゼロッテは唇を噛む。医師はカエンヌの負傷を肩の捻挫か、骨のヒビか、悪ければ折れているかもしれないと推測した。大の大人2人分に加え、それぞれの防具の重さまであるのだ、転んだだけとはいえ骨折の可能性も十分あった。
 シャンテは青い顔で先日彼が受諾したクエストの写しを差し出した。補佐の男性が唸るような声を上げた。

「リオレイアだって!? 右腕を負傷しているのに!」
「なんということでしょう……」
「大剣を片手で振り回せるとでも思ってるのかしら…馬鹿ね」

 更に顔色が悪くなった村長は震える声で憂い、エリザは険しい顔をしながら心配の声色で罵った。一番泣きそうな顔で心配しているのはオディルだった。唇を噛み締め、じっと何かを考えている。やがて彼女はそっと皆に言った。

「例えリオレイアより高位のレウスを狩れる実力があったとしても、それはパーティでの話だ。あいつ一人ではかなり厳しい戦いになるのは確実だろう」
「そりゃそうよ。でも姉さんは負傷、あたしとリーゼじゃまだレイアと太刀合う実力はない。そもそもリオレイアを1人でどうこうできる人間なんて……あ」
「「ナギ!」」

 考えついた。思いっきり考えついてしまった。
 リーゼロッテとエリザは異口同音に声を上げ、顔も見合わせた。そうだ、自分たちの師ならば。きっと出来るに違いない。
 オディルが考えていたのはこのことのようだった。

「助けを願えないだろうか?」
「大丈夫です。ナギさん優しいですから、きっと来てくれます!」
「救援狼煙上げて! こうなったら時間との勝負よ!」

 エリザが声をかけると同時に男性が動き出す。村長の家政アイルーが火種を持ってきた。高く上ったそれは赤い煙を立ち上げながら空で一瞬強く光る。あとはナギが少しでも早く気づいてくれることを願うばかりだった。直ぐに出立できるよう竜車の手配と、ナギに受けてもらうべき孤島の採集クエストを用意する、とここでまたひと悶着あった。

「ああああ!」

 シャンテの悲痛な叫び。何事かと関係者(村人にはカエンヌのことは打ち明けていない)が駆けつけると、彼女は「どどどどどどうしましょう」と混乱していた。

「ナギさん、この間ハンターになったばかりだから、まだ四ツ星クエスト受けられません!」
「そういえば!」
「他に何か孤島から
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ