第七十二話 ミラニの知り合いもやっぱ強えんだな
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中にまで気を配っていた。
余程場慣(ばな)れしていると見える。
「多分……ギルドランクにしたら……Aはあるだろうな」
闘悟の予想に解答を示したのはミラニだった。
「よく分かったな。彼の名前はヤーヴァス。登録者達からは『土波(つちなみ)』と呼ばれている」
「つちなみ?」
闘悟は首を傾げる。
「ああ、あの男の持っている剣を見てみろ」
ミラニの言った通りヤーヴァスの剣に注目する。
見た所、両刃であり刃渡(はわた)りが一メートルくらいある。
変わっている所と言えば、刀身(とうしん)の色だ。
間違いなく黄土色(おうどいろ)を宿していた。
「あれは『魔剣ドール』。大地を操る力を持つと言われている」
「おおっ! マジかよ!!!」
闘悟は目をキラキラさせて見つめる。
だって魔剣だぞ魔剣!
男の子ならワクワクして当然だろ!
異様に食いついてきた闘悟に少し引き気味になる。
両膝に乗っているヒナとハロもビックリしている。
「そっかぁ、だから地面が盛り上がって壁を作ったのかぁ」
闘悟はウンウンと納得しながら頷く。
あの時、ヤーヴァスは五人の魔法を目の前にして、剣を地面に突き立てた。
すると、地面から壁が現れた。
あれは『魔剣ドール』の能力で、土の壁を作ったのだ。
闘悟は興味を引かれてヤーヴァスに視線を送る。
魔剣を同じような黄土色の長髪を持っている。
高身長で小顔で、キリッとした顔つきをしている。
間違いなく美形と評するのに誤解は生まないだろう。
恐らく彼の流し目で恋に落ちる婦女子は多いだろうことを予想できる。
騎士姿をしているが、どことなく神官のような清浄(せいじょう)さを感じる。
「彼には五人では足りないだろうな」
「ミラニはもしかして知り合いなのか?」
「以前言わなかったか? 前に仕事を一緒に経験している。彼は強いぞ」
「へぇ」
少し興味が湧いた。
ミラニは自身が圧倒的に強いせいか、仕事でも自分を同じレベルを要求してしまう。
だが、ミラニと同等以上の強者などなかなかいない。
ミラニから聞いたことがあるが、昔に足をやたら引っ張る者をパーティを組んだことがあるらしい。
その時体験したトラウマから、仕事はそれなりの強者としかこなさなくなったらしい。
そのミラニが一緒に仕事をしたことがあるということは、ヤーヴァスはやはり強者なのだろう。
彼女も彼を認めるように「強い」と言う。
「闘ったことあんのか?」
「一度手合せはした」
「結果は?」
「……勝負はつかなかった」
少し気まずそうに言葉を放つ。
彼女の様子が気にはな
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