ALO編
episode5 旅路、影妖精領
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士にゃお勧めだぜ?」
「こっちのは? 攻略サイトの名鑑では見たこと無いな」
「鍛冶妖精領のクエスト報酬だな。こっちは古代武具、エクストラ効果は普通に魔法攻撃の両手用戦鎚だな。ただ、新しいクエスト獲得品みたいで大手の情報サイトにはまだ載ってなかったから、何かまだ使い道があるかもなぁ」
俺は戦闘系のプレイヤー達を相手に行商をしていた。
◆
本来俺の行商活動は、適当にプーカ領や周辺の中立域で売られている特産品を仕入れ、別の領内で売りさばいて……の予定だった。その予定を変更するように思い立ったのは、『あるアイテム』のおかげで俺は予定外に多くの、そしてハイレベルのアイテムを獲得することができてしまったからだった。
これを売り捌くことで、十分に行商が成り立ってしまった。これによって路銀には事欠かなくなった。まあ代わりにちょっといろいろと面倒になってもなっている……が、それは後でいいか。
とりあえずそんなこんなで、ごつい男どもとひそひそと商談を交わす俺。
そんな俺の横で、
「わーっ、かわいーっ! これ買うわ!」
「私も私もー!」
『お買い上げありがとうございます』
黄色い悲鳴が上がった。
俺の更に横では、ブロッサムが黙々と針仕事を続けながら時折表示されるトレードウィンドウを確認、ハンドメイドの作品を売っているのだ。無愛想だが、それもゲームの世界ではあまり珍しくも無い態度なのか、女の子たちは気にすることなくアクセサリーを眺め
てはしゃいでいる。
彼女は、なんと驚いたことに自種族の領土内に店を構えている一線級の『細工師』だった。ストレージ内には多数のアクセサリーがあり、見た目重視の女性プレイヤーにも実用性一本の戦闘系プレイヤーにも幅広く楽しめるラインナップを提供しているようだ……とは鍛冶妖精領での彼女の評判を客に聞いていたモモカの談。
ああ、針仕事をしているのは俺やモモカの装備品の補修をしているためだ。助かることに俺達三人パーティーは革装備二人、魔法使い系のローブ一人の軽装パーティーだ、『鍛冶』スキル無しでも『裁縫』だけで武器防具の手入れには事欠かない。もっともこちらは修行中…というか、俺達が旅を始める直前に上げ始めたようだが。
(にしても、助かってるぜ、ホントに……)
ここは、スプリガン領。それが意味するところは、相手さんからすれば俺を襲って身ぐるみ剥いでも一向に問題ない、ということ。さらに言えばALOは、それが推奨すらされているというハードさが売りのゲームなのだ。だがそうはいっても、こんな観光目当てのプレイヤーを辻斬るのを良しとはしない、良心的なプレイヤーも多いのも確かだ。モモカの演奏でこれだけの人が集まっていれば、俺やブロッサムの
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