第七十一話 第一回戦が始まったぁ!
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かもしれない。
思ったより面白い闘いになりそうだと闘悟は微笑む。
「それでは第一回戦の方々、準備をお急ぎ下さい! あと十分で始めたいと思います!」
モアのその言葉で、一気に場が緊張に包まれる。
同時に参加する三十人は顔を引き締めて、体から闘気(とうき)を漂わす。
まだ始まってはいないが、周りに敵意を込めた視線を送る者達がほとんどだ。
ジロジロと互いを牽制(けんせい)し合う。
そしてジリジリと後ろ手に下がり、敵から距離を開ける。
誰もが攻撃を対処できるように身構えている。
「さあて、いよいよ始まるな」
闘悟はワクワクしながら不意に言葉を漏らす。
「トーゴ……楽しみ……なの?」
「まあな、これも一種の祭りだしな」
「わたしもまつりすきだぞぉ!」
自分の両膝に座っているヒナとハロが声を出す。
ステリアも目をキラキラさせながら参加者を見つめる。
恐らく彼女も闘悟と同じく楽しみなのだろう。
本当は参加が理想だったが、出られなかった分、しっかりと他の者達の闘いを目に焼き付けておこうと思っているのだろう。
クィルは彼女らしく、少し不安そうに見つめている。
基本的に平和第一主義の彼女なので、こういった場はあまり好みではないに違いない。
優しいクィルらしい態度だ。
そして十分が過ぎ、いよいよ第一回戦が始まる。
モアの開始宣言が皆の耳を釘付けにする。
「では時間がやって参りました! 準備はよろしいですか? それでは…………」
息を飲む音がどこかから聞こえてくる。
一瞬の静寂(せいじゃく)が周囲を支配する。
三十人は武器を手に、力を込め始める。
「始めぇっっっ!!!」
その瞬間、風を切るように数人の者達が動き出す。
他の者達は静止している。
いきなり動いた者達を警戒しているのだろう。
そして動き出した者達は、一斉にある人物に向かう。
どうやら集中攻撃を仕掛けるみたいだ。
よく見れば動き出した人物達の装備が同じだ。
動きも統制(とうせい)されているように感じる。
もしかしたら事前に打ち合わせでもしていたのかもしれない。
「あれは『角のある妖精(フェアリーホーン)』の者達だ」
いつの間にか傍に来ていたミラニが説明してくれる。
闘悟はなるほどと頷きを返す。
「恐らく力を合わせて代表者を有利にさせる腹積(はらづ)もりだろう」
ミラニの言う通りだろう。
自分達が支援する者を優勝に導くために、こうして有力株であろう者を一斉に叩く。
このバトルシステムの特徴は、集団の力を利用できること。
つまりはチーム戦略を行使
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ