ALO編
episode4 悟る真理の一角2
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だ。あの時代錯誤の家のこと、監視カメラ、最悪見張りの数人は居ても不思議はない。一応その可能性を考慮し、外出時は尾行に気をつけてはいる……が、『索敵』スキルがあるわけでもない今の俺では完全に尾行を撒けている確信は無い。
『悪魔の機械』を未だに使い続けていることも、隠し切れているかどうか定かではないのだ。
「はぁ……」
大きく息を突き、額に手を当てる。
思ったより眉が顰められていた事に驚き、苦笑する。
―――考えても、答えは出ないなら、それでいいじゃないか。
―――見張られている? 上等だ、だからなんだ? 今の俺に、何か失うものがあるのか?
「たとえナーヴギアを取り上げられても、取材費で貰ったアミュスフィアだってある、か……」
無意識のうちにこなしていた接続の準備を終え、ギアをセット。
準備は、整った。
「リンク・スタート」
行こう。見張られることの無い世界へ。
俺の、行くべき世界へと。
◆
俺はこうして、日に二回のダイブをするようにしていた。
一度目は、家からの午前の数時間。これはモモカ・ブロッサムの二人との行商と銘打った観光活動。そして二度目は、午後リハビリを終えた後、喫茶店で一息ついたてからのダイブ。本当の目的……クエストをこなし、微かに感じるSAO世界の気配を探るための旅。
二人は俺が午前中しかダイブしていないと思って昼間はいないため、ついてこられる心配はない。俺は観光用の写真を取るという名目でクエストを受けつつのダンジョン攻略を繰り返して、体の感覚を養うとともに行商用の商品を仕入れていた。
そして、その結果分かったことが、二つほど。
一つは、この世界が……この世界の「クエストストーリーのクセ」とでも言うべきものが、SAOと酷似しているということ。そしてもう一つは、この世界のストーリー……「クエストのスタート地点」を作った奴は、間違いなく相当にあくどい性格をしているということだった。
そのことを知ったのは、ちょうどモモカ達に押し切られて同行を認めさせられた、あの日。
「面白いマント」の効果に、俺が首を傾げたことが切っ掛けだったのだが。
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