ALO編
episode4 悟る真理の一角2
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始め肝心なことは「お答えできません」。所謂「禁則事項です」状態だ。
(牡丹さん本人の意思、じゃあねえだろうな……、或いは「神月」、「四神守」の家の理由か。はたまた爺さんや伯父さん個人の指示か……ね)
想像は、いろいろと出来るが、どれも確信は持てない。
そして、そこに何らかの思い……そして策謀が含まれているかどうかも、分からない。
分かるのはただ、「何かをされている」ということくらい。
だが。
―――ぐぐ〜。
「……っ!」
「……もう少々お待ちください。もう盛り付けるだけでございます」
大きく鳴った腹の音は、しっかり台所まで響いてしまったらしく。
何の料理も出来ない俺は、最後にはこうして牡丹さんに頼るしかないのだった。
結局俺は、どこに行っても女性の押しには敵わないのである。
(俺は、というか……、男は、かな……)
一人の男を脳裏に浮かべつつ、俺は深々と溜め息をついた。
男というものは、すべからく業の深い生き物だ。そんな阿呆な悟りを開きながら。
◆
「ふぅ……」
ぐったりと椅子にもたれて天井を仰ぐ。家の天井では無いが、俺には家以上に随分と馴染みのある天井になってしまっている。しかしネカフェの天井に馴染みが深いというのも、それはどうなんだと思わなくはないが。
「いちいちここまで来るのも骨なんだがな……」
四神守の家を追放された俺は、移動費も最低限に抑えるために今まで使っていたバスでの移動を控えていた。といっても、流石にリハビリしまくっているだけあってちょっと歩いただけで息が上がる様な事は無い。
無い……のだが。
「向こうに比べると、やっぱ疲れやすくはなってるよな……」
というか、向こうの世界では『疲れる』ということが(全身全霊を込めての全力疾走をしたりしない限りは)システム的になかったように思う。つまりは、もともと生身の肉体にはあって当然のはずの『疲労』というパラメータの存在に戸惑いを感じていたのだ。いくらリハビリをしたところで、俺の体が人間のそれである以上「ゲームの世界のように、疲れを知らない超人の体」なんてものが不可能なことくらいは分かっている。
まあ、それは、今考えることではない。
使いなれたリュックを下ろし、ゆっくりと取り出すのは、……ナーヴギア。
一人暮らしをすることになるのであれば家に持ち帰って使うことが出来たのだが、毎日牡丹さんが訪ねて(しかも俺がフルダイブから帰った時を狙いすましたように)来るのではそれも出来ない。それに加えて。
「監視の可能性も、捨てきれないしな……」
用意された家が、玄路伯父さん……四神守の直系の用意した場所なの
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