第3話
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女王《クイーン》であるあなたが直々に人間界に来るのだもの。そういうことよね。わかったわ」
リアス先輩は、脱いだ服に手をかけた。
「ごめんなさい、ナギ。さっきまでのことはなかったことにしてちょうだい。私も少し冷静ではなかったわ。今日のことはお互いに忘れましょう」
「ナギ? この方が」
あれ? 僕のこと知ってるの?
「ええ、兵藤渚。魔王を上回るほどの魔力を持つ人間よ」
「興味深いですね。人間でありながら魔王を超える魔力を持つとは」
不思議なものを見る目で僕を見てくる。ほんのり顔が赤いのは、服装の乱れた僕を見たせいじゃないと思いたい。
「グレイフィア、私の根城で話しましょう。朱乃も同伴でいいわよね?」
「『雷の巫女』ですか? 構いません。上級悪魔たる者、女王を傍らに置くのは常ですので」
「よろしい。ナギ」
リアス先輩がツカツカと歩み寄ってきて、僕の頬にキスをした。
「今夜はこれで許してちょうだい。迷惑かけたわね。明日、また部室で会いましょう」
そう言って、グレイフィアさんと共に魔法陣に消えていった。
僕の頬にキスの感触を残して。
Side out
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Side 一誠
俺は今、アーシアと木場と共に部室に向かっていた。渚は少し遅れるらしいと木場が言っていた。
「部長の悩み?」
「うん。最近部長の様子がおかしいのはイッセーくんも気づいていただろう」
確かに、心ここに在らずって感じの時が多かったな。
「たぶん、グレモリー家に関わることだと思うんだけど」
そう言えば、今朝の渚の様子が少し変だった気がする。あいつ何か知ってたのかな?
「朱乃さんなら知っているよな?」
俺の問いに木場はうなずく。
「朱乃さんは部長の懐刀だから、もちろん知っているだろうね」
うーん、俺たちにはわからないか。何か事が起きてからがんばりますかね。
「・・・・・・僕がここまで来て初めて気配に気づくなんて・・・・・・・・」
部室の前に立って、目を細めて顔を強張らせる木場。なんだ?
気にせずに開けると、室内には部長、朱乃さん、小猫ちゃん、そして初めて見る銀髪のメイドさんだった。どなたでしょうか?
部員の面々を眺める。明らかに不機嫌そうな部長。いつも通りニコニコしているがどことなく冷たい感じの朱乃さん。小猫ちゃんは部室の隅っこで椅子に静かに座っている。メイドさんはなんかクールな感じだ。
(なんか張りつめた空気なんですけど・・・・・・・・)
後ろで、木場が小さく「まいったね」とつぶやいた
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