暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第20話 やっぱ鍛冶でしょう
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使い剣を鍛造・量産するのが最終目標になります。最前線で戦う守備隊員の命を守る武器です。気合入れてお願いします」

 私がそう言って頭を下げると、ガストンさんとポールさんの目の色が変わりました。

「若旦那。悪いが今すぐ教えてくれねえか」と、ガストンさん。

「僕もお願いするよ」と、ポールさん。

 奥さん達は少し困った顔をすると、子供達を連れて出て行ってしまいました。こうなると、誰も止める人がいません。時間がかかる炭焼きから作業開始です。3人がかりで窯の中に木を敷き詰め、入口を《錬金》でふさぎ、ポールさんが火を入れます。《探知》で中の状態を確認しながら、通気口をふさぐタイミングを計ります。煙が半透明になった所で通気口を全てふさぐと、後は冷えるまで待つだけです。この時間は約4時間です。外は既に夕日が見えていました。

 テンションがかなり高かった私達は、後少しだけと《錬金》による鋼の作成に入りました。ガストンさんにイメージを伝え、実際に《錬金》してもらいます。

「砂鉄と黒い粉を、溶かして混ぜ合わせるイメージです。実際高温で溶かし、砂鉄と黒い粉を混ぜれば鋼になります」

 数回目の《錬金》でやっと上手く行ったガストンさんは、凄く喜んでいました。

 ここで父上が、家に戻ってこない私を探しに来ました。最初は私を連れ帰ろうとした父上ですが、ガストンさんとポールさんの熱意にほだされ、何時の間にか仲間入りしていました。(この時、既に夜になっていました)

 悪乗りした私達は、黒い粉(炭素の粉)の量で、硬度と粘りにどれだけ差が出るか調べ始めました。この時はまだポールさんも、時々炭焼き小屋の様子を見に行く冷静さがありました。

 やがて父上が口走りました。

「このまま我々で、この鍛冶場最初の鍛剣を作らないか?」

 この言葉で、テンションが振り切ったのか? それとも既に振り切れていたのか? 私も含めその言葉に大賛成です。鍛冶場の炉に火が入り、男4人で鍛剣を打ち始めました。キッチリ折り返し工程も行い、焼き入れも行いました。男4人で、あーでも無いこーでも無いと刃を研ぎだしました。そして父上が《錬金》で柄と鞘をでっち上げると、ようやく完成しました。(鍛剣・ワンハンド・ロングソード・銘無)

 刀身が少し歪んでいて鞘に入らなかったので、《錬金》で微修正したのは私達の秘密です。

 さあ早速試し切りです。意気揚々と皆で外に出ました。何故か外は明るかったです。そして空には夕日が……。(NO 朝日です)

 ナチュラルハイになった私達は、そんなこと気にする事も無く土人形で試し切りを始めました。素人が打った割には、切れ味も悪く無く男4人で騒ぎ始めました。

 その時、突然館の窓が開いたのです。

「五月蠅い!!」


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