暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第20話 やっぱ鍛冶でしょう
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ました。

「何故直接チタンを、分離精製せんのだ?」

 私はこの切り返しに、全く反論出来ず固まってしまいました。ドットの頃から“純度はコツコツ上げる物だ”と、思い込んでいたのです。ハッキリ言って、その発想はありませんでした。……正直凹みました。

「父上の言うとおりです。私にはその発想はありませんでした。素晴らしいです」

 私は父上を褒め称えました。先程まで凹んでいた父上が、見る見る自信を取り戻して行きます。……逆に私が凹みましたが。

 これにより何十回も《錬金》を繰り返していたのが、たった2回で済むようになりました。これまでは1本に1週間以上かけていましたが、これからは1日に1〜2本ペースで作れます。(チタン剣は、絶対に量産しませんが)

 早速父上が《錬金》したチタン剣から、純チタンを分離精製します。とれた純チタンは意外に少なく、父上が理想とする大型サーベル1本分には少し足りませんでした。

 そこで私は、自分の刀用に作って置いた純鉄を引っ張り出し、炭素を合成し刃金にする事にしました。父上と協力し刀身はチタン製で、刃の部分だけ高炭素鋼のサーベルが出来ました。表面のチタン被膜処理は、父上が遠慮したので施しませんでした。

 父上はその出来に満足そうに頷き、鞘を作ると《硬化》と《固定化》を重ねがけしました。まだ外は明るかったので、早速試し切りをする事にしました。私が《錬金》で、試し切り用の土人形を6体程作ります。

 父上は気合一閃、土人形を両断しました。その切れ味に、父上の顔がゆるみました。

「ギルバート。素晴らしい出来だ」

 父上はそのまま、2体目3体目と切り裂いて行きます。その時母上が文字通り飛んで来ました。流石に風のスクウェアだけあって、無茶苦茶早いです。母上はフライ《飛行》を解除し着地すると、父上に詰め寄って来ました。

「そのサーベルは何? ギルバートちゃんと一緒に作ったの? やっぱり対亜人用を想定して? …………」

 母上が間をおかず、次々に父上に質問をします。(あれでは答える隙がありません。答えさせる気があるのでしょうか?)

 現在母上にプレゼントしたレイピアは、杖剣に加工する為手元にありません。その所為で余計に、父上のサーベルに興味を引かれるのでしょう。

 母上が飛んできた方を見ると、母上を追いかけて来たのでしょう。ディーネとアナスタシアが《飛行》で、こちらへ向かって飛んで来ました。その表情には、困惑の色が見えました。母上は何の説明も無く、突然こちらに飛んできたのでしょう。

 2人は父上が持つサーベルと、切り裂かれ地面に転がっている土人形を見て納得した様です。こうなると次のパターンは決まっています。

「「私の分は何時出来るの?」」

(……やっぱり。
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