種族魔法使いと職業魔法使い
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なさい。私は暇じゃない」
飲み終わり、二杯目のお茶を注ぐ。今度はミルクを少し。酸味が抑えられまろやかになったそれを一口啜り、読み終わった本を閉じる。眼鏡を外し、目元を揉む。最近すし詰めで体にも疲れがたまっている。機会があれば門番にでもマッサージをして貰おうか。もっとも、こないだ来たわけだから当分は来そうにないが。
「こないだ行ったとき紅茶を人形にかけちゃたんだ。それで怒って暫くは会うのが怖いわ」
「自業自得じゃない。だからってここに来ないで欲しいわね」
「魔術の相談ができて本があるのはあそことここくらいだからだ。簡単に入れたぜ。文句があるなら門番に行ったらどうなのよ? なんたって門番なんだ」
近くにいたキングを動かしをポーンを取りに魔理沙は動く。この好きにこちらはナイトは囲わせてもらうとしよう。
「あの子は弾幕が得意じゃないのよ。肉体技能なら任せられるんだけどね。得手不得手くらい弁えてるわ」
「だから怒らないってわけか。優しいのね」
「許してるわけじゃないわよ。文句は言うし怒ってるわ。いくら不得手だろうと仕事を全うできないのは本人の不始末。ただ、実質の上司であるレミィが罰を与えてるからね」
「吸血鬼の罰か。怖い怖い。私は怒られたくないわね」
ポーンを取ったキングがそのまま前へ進む。キングとクイーン、交互にパチュリーの陣地へと攻め入る。
それを交わしつつパチュリーはお茶請けのクッキーを一枚パクリ。こないだ本を借りに来た咲夜からの差し入れだ。全くもって完璧な出来で美味しいが、たまに明らかに砂糖でなく塩で作られたのが混ざっているから気が抜けない。わざとなのか、天然なのか。全く困ったものだ。
「本ってすごいよな。字がたくさん。辞典並みに厚いやつなんて書く奴を尊敬する」
「魔法の研究をしていれば、似たようなものになるんじゃないの」
「それはそうだけどさ。まあ凄いなって。あとパピルスって紙あるじゃないか、なんか動物みたいな名前よね」
「ああ、確かに知らなければそう思ってしまいそうではあるわね」
「パピは首長くてもふもふでルスはなんか小さそうだよな」
「そう?」
パチュリーとしてはパピは首の短い羊のような姿で、ルスは地を這っているイメージだった。
「ああ。あと和紙って凄い長持ちするんだな」
「ちゃんとしたものは千年以上劣化せず持つわよ。長く伝えるものには最適ではあるわ。まあ、魔術をかけた紙とどっちが保つかは術者によるでしょうけど」
「私なら百万年は持つぜ」
「三日と立たず無くすと思うわ。それかゴミに埋もれるか」
時間とともに盤上の駒が減っていく。既に半分近くの駒がその首を狩られていた。
既にこの勝負も参戦目だ。今のところ互いに一戦一敗。もっとも、パチュリーは本を読みながら
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