第66話
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正直、誰も挨拶もしないだろうと思っていたので少し驚いていた。
騒ぎが落ち着くと理事長室に向かい、ドアをノックする。
どうぞ、という返事が聞こえて中に入る。
「これを返しに来ました。」
麻生は常盤台の制服を返しに来たのだ。
今は自分の高校の学生服を着ている。
理事長は麻生が持っている常盤台の制服を受け取らずに、にっこりを笑みを浮かべて言う。
「これはあなたが持っていてください。
この学園に男子生徒はいませんので。」
「いいのですか?
俺が悪用するとか考えないのですか?」
「信頼していますから。」
笑みを崩さずに答える。
麻生は小さくため息を吐いて制服をバックに入れて、理事長室を出て行こうとしたが理事長に声をかけられる。
「事前に連絡していただければ、いつでも歓迎しますよ。」
「暇があれば、また。」
そう返して、麻生は理事長室を出て行った。
自分が泊まっていた寮に戻り服などが入った鞄を背負う。
寮監に挨拶をして、寮を後にする。
学園から帰る途中でも何人かに声をかけられながらも「学者の園」の出口を目指す。
その途中で取り巻きを連れた操祈に出会う。
「この学園に居ればいいのに。」
操祈は麻生と離れるのが寂しいのか、元気のない声でそう言った。
「そういう訳にもいかないだろ。」
「私の能力で席を作ってあげようか?」
「いらない。
まぁ、お前には助けられたな。
礼を言う。」
「それならキスして♪」
操祈の爆弾発言に周りが驚きながらも必死に止める。
その静止を全く気にすることなく、麻生の首に自分の腕を巻き、唇を近づけていく。
麻生はため息を吐いて、操祈の頭を軽く撫でながら言った。
「そう言う言葉は俺じゃなくて心から信じられる男に言うんだな。」
そう言って、頭を撫でた手で操祈の腕を解き、去って行く。
「あ〜あ、上手い事かわされたなぁ。」
「女王、相手をからかうのもいい加減にしてください。」
「そうですよ、相手が本気にしたら面倒ですよ。
まぁ、女王の能力があれば心配ないと思いますが。」
「うん?私は本気だったよぉ♪」
え、と周りの取り巻きは声をあげた。
「次に会った時には本気だぞって事を伝えないとね♪」
「学舎の園」の出口に向かうとその傍に美琴が立っていた。
麻生の姿を確認すると、ゆっくりと近づいてくる。
なぜか、両手は後ろで組んでいた。
「あ、あの・・・・その・・・・」
麻生は美琴の言葉を待っていると、美琴は両手を突き出す。
その手には可愛い袋が手に持っていた。
「何だこれは?」
その袋を見ながら言う。
美琴は顔を赤くしながらも
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