第66話
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い、といった感じの表情をしている。
麻生は誤魔化しても仕方がないので正直に答える。
「どうして俺も改竄にあそこまで躍起になったのか分からないんだ。」
簡単にそう告げる。
美琴はじぃ〜、と麻生の表情や目を観察している。
少しして美琴は大きくため息を吐いて言う。
「嘘ついているみたいじゃないわね。」
「私はいつでも恭介さんの事を信じているけどね。」
「あんたはどんな答えでも疑わないでしょ。」
「あら、彼が特別な能力なだけで他の人なら普通に頭を覗くし、彼の頭も覗けるのなら覗いているわよ。」
「相変わらず下衆い能力の使い方ね。」
「・・・・・」
「・・・・・」
まさに一触即発の雰囲気に変わる。
麻生は自分が寝ている間に喧嘩にならなかったのかが不思議で仕方がない。
その後、タイミングよく保健医の先生がやってきて、二人は退出していった。
麻生の胸に傷ができている事に対して、保険医の先生は麻生に質問する。
傷は深くないとはいえ、普通に生活していてはまず出来ない傷だ。
その日は特に能力を使った授業はない。
麻生はすまない、と謝りその保険医の先生の頭に触れる。
その瞬間、保険医の糸の切れた人形の様に力が抜け、麻生に倒れ込んでくる。
麻生は保険医を支えて、椅子に座らせる。
包帯を身体に巻き直し服を着ると、保険医の先生が目を覚ました。
「あれ、麻生君じゃない。
てか、私寝てた?」
麻生はいつも通りの表情を浮かべて言う。
「ええ、ぐっすり寝てましたよ。」
「げっ、他の先生にばれるとやばいわね。」
「誰にも言いませんから安心してください。
それでは。」
そう言って麻生は保健室を出て行く。
麻生が出て行った直後に、先生は麻生は何の用で此処に来たのか考える。
少し考えて、それほど気にする事でもないと判断して仕事に戻る。
保健室を出た麻生はもう一度深く保健室に向かって頭を下げて、保健室を離れていった。
その後は特に何もなかった。
ラファルの仲間がやってくるなどいう事もなく、平和な学園生活を送る事が出来た。
平和と言っても、周りの女子生徒や操祈に付き纏われていたが、ラファルの事件に比べると平和だった。
そして、編入最終日。
今日を持って麻生は常盤台中学の一時編入期間が終了する。
最後だからだと言って特別な事をする訳でもなく、時間が過ぎていった。
しかし、放課後になると常盤台の生徒達が麻生の元に駆け寄ってきた。
「麻生様、また来てください!!」
「麻生様ならいつでも歓迎いたしますわ!!」
「此処にいらした時はぜひ、わたくしに会いに来てください!!」
その後も何人も麻生の元にやってきては挨拶をしていく。
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