無印編!
アルフは猛獣と化した
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少しすると俺たちは海鳴りのビルの屋上にいた。
「フェイト、フェイト!!」
アルフがフェイトを横にして呼びかけるが、フェイトは目を開けずにただ苦痛に顔を歪めている。
「ヤミ、ヒール」
<はい。ヒール、発動します>
俺はまた治癒能力を発動させ、プレシアに付けられた傷を治す。
「アルフ、フェイトの部屋に移るぞ」
「あ、ああ。わかった!」
そして俺はある程度の傷を治し、アルフがフェイトを担いで部屋のベッドに寝かした。
「陽龍、フェイトは大丈夫なんだよね!?」
フェイトをベッドに寝かせるとすぐ、アルフが聞いてきた。
それに対して俺は、
「あ、ああ。とりあえず傷は治したから、そのうちに目を覚ますはずだ」
と、少し戸惑いながら答える。
するとアルフは安心したのか、地面にへたりこんで「よかったぁ・・・」と呟いた。
『兄さん・・・』
「ッ!?」
俺はまたあの声が聞こえ、膝をついて蹲る。
「陽龍!?」
アルフはそんな俺に対し、どうしていいのか分からずに顔を白黒させている。
「アル、フ・・・頼む、身動きできない・・・よう、抱きしめて欲し・・・ッァアアアアアアアァァアァアアアア!!??」
「え、う、うん!!」
なんとかそう言った俺をどうにかしようと、アルフは美愛や両親のように俺を強く抱きしめる。
「・・・もう、大丈夫だ。ありがと、アルフ」
案外発作?は早くに収まり、俺はアルフから少し離れる。
「と、とりあえずもう大丈夫なのかい?」
「ああ。心配かけた」
「そっか・・・フェイトに続いて医龍まで気を失ったらどうしようかと思ったよ・・・」
アルフはそう言ったきり黙ってしまう。
・・・この沈黙がツライ。
ってなわけで俺はフェイトの目が覚めるまでの間、気になっていることを聞いてみることにした。
「アルフ、もしかしてフェイトは以前、同じようにプレシアに鞭で叩かれるようなことがあったのか?」
俺が気になっていたことを聞いてみると、アルフはびっくりしたような顔をした後、辛そうな顔をして「・・・そうだよ・・・」と短く答えた。
「フェイトは前から今回のようにプレシアの願いを叶え続けてきたんだ。地球とは違う世界の、とても寒いところにしか生息しない万能薬とか、樹海に生息しているどんな傷も治ると言われている水を取りに行ったり、前なんか死者すらも生き返ると言われているドラゴンの涙を取りにいけとか言われたり・・・。
フェイトは全て失敗せずにしっかりとやり遂げていたんだ。でもプレシアのやつ、「私の娘なのにこんなに時間がかかるなんて」とか言って鞭で叩くんだ」
アルフは辛そうな顔で続ける。
「アタシだって何度も止めさせようとした。でもアイツ
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