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とある星の力を使いし者
第65話
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に、その制御装置でもある魔道書を手放してしまえば召喚したモノは暴走するに決まっている。
たまたま、スターヴァンパイアの近くにラファルがいるから捕まったただそれだけだった。

「やめろ・・・俺の命を・・・吸うなああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ラファルの叫び声をあげるがそれを否定するかのように、スターヴァンパイアはラファルの血液から何から何まで吸い尽くしていく。
麻生は美琴達がいる所まで下がると、ようやく麻生恭介の意識が戻る。
蟲に呑まれてから今に至るまでの記憶が全くない麻生は今の状況が把握しきれていない。
ラファルの血を吸った影響なのか、不可視だった身体が見えてきた。
美琴達はその不気味な姿に思わず目を逸らした。
中には悲鳴をあげる者もいる。
首筋に何本もの触手が刺さり、体内に侵入している。
既にラファルに意識はなく、手足から徐々に腐敗していた。
麻生はいつの間にか自分が星の力を使っている事に少しだけ驚くが、今はそんな事を気にしている暇はないと切り替える。

(あいつを吸い殺したら今度はこっちに来るはずだ。
 おそらく、地面に魔道書が落ちている所を見て制御できなくなったんだろうな。
 尚の事、今の間にやるしかない。)

麻生は手に持っている星の力で作った刀を両手で持ち、頭上にあげる。
星の力を刀に送り、そのまま一気に振り下ろす。
巨大な蒼い光が刀の剣先から現れ、ラファルの死体ごとスターヴァンパイアを呑み込んでいった。
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