第65話
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いた。
誰かの悲鳴が聞こえた。
必死に抵抗する声も聞こえた。
この抵抗する声は美琴なのだと麻生は思った。
見える訳ではないがそう感じた。
そして麻生恭介の意識が完全に落ちる。
その時、声が聞こえた。
美琴達の声ではない。
一度も聞いた事のない声なのに、麻生はその声に懐かしさを感じた。
この星に生きる生命を守らないといけない。
あそこにいるモノは星の敵。
星の敵ならば抹殺しなければならない。
それが星の守護者の使命なのだから。
カチン、と音がした。
まるで噛み合っていない歯車が正しく噛み合ったような。
何も見えない闇の中で、麻生は小さな蒼い光が見えた。
その蒼い光は大きなっていき、麻生の視界を光で埋め尽くした。
ラファルが蟲達を見た時、美琴は吐き気を感じた。
蟲なのに口があり鋭い牙が見え、とてつもなく気持ち悪いからだ。
他の生徒もそうなのか青ざめた顔をしている。
「お前ら食い殺すなよ。
あくまで手足だけにしろ。」
その声が聞こえた瞬間に蟲達は一斉に美琴達に飛び掛かってきた。
美琴は電撃の槍を蟲達に放つが、それを受けても蟲達は死ぬ事はなかった。
(どうなってるのよ!?)
驚きながらも何度も電撃の槍を撃ちながら後退していく。
二、三発受ければ蟲達は動きを止めるが、普通の蟲なら考えられない耐久力だ。
美琴は蟲達を電撃で応戦しつつ他の生徒達を助けていた。
超能力者である美琴ですら一撃で倒せない蟲だ。
美琴よりレベルの低い彼女らでは苦戦する事は目に見えていた。
それに蟲の数が圧倒的に多い。
美琴を電撃の槍を基本として、高レベル能力者と一緒に連携しながら戦って防戦一方だった。
その光景をじっ、と見つめていたラファルだが、大きく欠伸をして言った。
「さて、そろそろ飽きてきたな。
捕食を開始しろ。」
ラファルがそう言うと蟲達の勢いが一気に増した。
さらに、今までラファルの傍にいた妖蛆の蟲が美琴達に向かって突撃してくる。
(まずい、このままじゃあ押し切られる!?)
超電磁砲を撃とうにもそれをする隙が全くない。
何より美琴は麻生の事が心配だった。
あの蟲達に呑まれてしまって無事なのか全く分からない。
この蟲達を見る限り覆い被されば助からないかもしれない。
それでも美琴は諦めれなかった。
麻生が死ぬ事を考えるとなぜか悲しく、とても胸が痛くなるからだ。
(私が助けるから、絶対に死なないでよ。)
美琴はポケットからコインを取り出す。
現状を打破するにはこれしかない。
美琴は周りに指示を出そうとした時だった。
麻生に覆い被さってい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ