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レインボークラウン
第二十三話

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                   第二十三話  出会い 
 タロとライゾウはテレビが終わってから家の扉を開けた、そのうえで扉の向こうにいる二匹に挨拶をした。
「はじめまして」
「よく来たな」
「ええ、はじめまして」
「宜しく」
 ケムンパスとワラビも彼等に応える。
「私達がここに来た理由はね」
「別にやり合うつもりじゃないよな」
 ライゾウはこのことを確認した。
「そんな気配じゃないけれどな」
「そのつもりだったらこう和やかに挨拶しないでしょ」
 ケムンパスはワラビと家の玄関の前に座っている、そのうえで右の前足を出してそのうえでライゾウに応えた。
「そうでしょ」
「それはそうだけれどな」
「安心して、喧嘩は趣味じゃないわ」
「喧嘩なんて出来ないから」
 ワラビは怯える声でこう言った。
「怖くて」
「何かそっちの犬さんは随分大きいけれどな」
 ライゾウもそのワラビを見て言う。
「気は強くなさそうだな」
「ああ、この娘はね」
 ケムンパスはワラビの方を見てライゾウに答えた。
「そういうのは苦手だから」
「ああ、やっぱりな」
「あたしはそういうのはないけれどね」
 そうだというのだ。
「それでも自分から仕掛けることはしないから」
「だったらいいけれどな」
「それでよ」
 ケムンパスはライゾウとタロにあらためて言う。
「今日ここに来た理由はね」
「挨拶かい?」
「そうよ」
 まさにそうだというのだ。
「それで来たのよ」
「わざわざその為に来たんだ」
「挨拶はしておかないとね」
 ケムンパスは今度はタロに応える。
「それでなのよ」
「真面目だね」
「ご主人に言われてるからね、それじゃあ今はね」
 また言うケムンパスだった。
「お近付きの印ってことで」
「何かあるのかよ」
 ライゾウはケムンパスにそのことを問うた、すると。48
 ケムンパスはあるものを出して来た、そしてその出したものをライゾウ達の前に差し出したのであった。それは何かというと。


第二十三話   完


                         2013・4・1
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