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くらいくらい電子の森に・・・(誰も死ななかった編)
第五章
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する」
「そうね、すぐそこ」
「甲州街道沿いって、おいしいラーメン屋さん多いよね」
「そうね。この辺にも一軒あるわ」
「へー、僕食べ歩きが趣味なんだ。なんて店?」
「えっと…『かずき家』とか…」
「ふーん、醤油系?」
「ううん、家系…かな」
――なんかもう、顎が抜けるほどちょろいひとだ。
僕がもし悪者なら、この人とだけは絶対に組まない。この人を巻き込んだ時点で、主犯も相当間抜けなんだろう。
――こんなひとたちに捕まる僕って……
「ねー、スマホ持ってる?食べログの口コミ情報、見たいなー」
少し甘えるような声を出して、上目遣いで見上げる。
「結構、評価高めですよ。…ほらほら」
彼女は嬉しそうにブラウザを立ち上げる。折角なので僕は、また体を寄せてスマホを覗き込む。なるほど、★3.7。なかなかのスコアだ。そしてお姉さんはいい匂いだ♪それにさりげなく視線を下の方にずらすと、白のブラウスから胸の谷間がちらっと見える。大きくはないけど形は僕好み。それに清楚な白いレースのブラジャーが、ぐっとくる。くっくっく……なーんて隙だらけのお姉さんなんだ♪もう既にガン見と言っても差し支えないくらい見てるけど、全然気がつくそぶりすら見せない。
――いかん、あまりの天国状態に、本来の目的を忘れるところだった。
へぇー、とか言いながら、さりげなく彼女の手からスマホを受け取り、
「……ねぇ、なんか焦げ臭くない?」
ふと気がついた風を装って、僕は頭を上げた。
「そう、かしら?」
「うん、少し。気のせいかもしれないけど、何かあったら僕たち逃げられないし」
そう言って、鎖をじゃらりと持ち上げる。
「ちょっとだけ、確認してきてくれない?」
「そ、そうね。ちょっと見てくるね」
彼女がスマホを置いて部屋を出た瞬間、急いでメールを立ち上げた。その様子を終始、斜め前あたりでドン引き気味に眺めていた杉野氏が、ぽつりと呟いた。
「姶良君……きみ、意外と気持ち悪い男だなぁ」
――ぶっ殺すぞてめぇ。
誰のせいで僕がこんな目に遭っていると思っているんだお前は。むらっと怒りがこみあげたけど、このクソ忙しい時に馬鹿の相手をしていられない。
「ビアンキ!紺野さんのアドレス表示して」
「は、はい!」
僕は手早くアドレスを打ち込むと、窓を細く開けて、外の風景を写メした。案の定、外は真っ暗だけど、幸いライトアップされている看板がいくつか点在している。本文に『甲州街道 ラーメン〔かずき家〕近く』と打ち込み、メールを送信した。
「………よし!」
『送信完了』の表示を確認して、スマホを置く。表示を『食べログ』に切り替えておくことも忘れない。
「な…なにをしたんだい?」
杉野が、むかつく程のキョトン顔で聞いてきた。
「……紺野さんに、現在
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