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くらいくらい電子の森に・・・(誰も死ななかった編)
第五章
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「んだもしたん…オッサンじゃなかね!!よかおんじょが、雁首そろえて、なんっちな!!まっこて…ずっさらしか変装ばい!!」
ついでに後ろの大仏もひっぺがす。僕とさして変わらないくらいの小さな青年が、おずおずと頭を下げた。なに、今更頭下げとるんじゃ、ぼけが。
「わいら……正座、じゃ」
「……え」
「正座じゃあ!!へっちせんか!!こん、がんたれどもが!!」
馬と大仏、二枚重ねて烏崎をひっぱたく。
「ぐっふぉっ」
思わぬ力が出た。烏崎の巨体が横に吹っ飛ぶ。
「烏崎さん!?」
大仏の中身が駆け寄る。
「へっちせい、言うたが…?」
「…へ、へい」
奴は、おずおずと居住まいを正した。それに倣うように、大仏の中身の奴も正座する。
「杉野…わいも、じゃ」
「ひっ…こわい、こわいよ…」
「なんね!こん、やっせんぼが!!へっち、きんきんせんね!!」
「ひぃっ!……ヤッセンボて、キンキンて何!?」
「カンパネルラに聞いたらよかばい!!」
床に被り物を叩きつける。杉野はぷるぷる震えながら、烏崎に倣って正座した。あー…
なんか、すかっとする。
「…で、これ、なんね」
床でへにゃへにゃになっている馬と大仏の被り物を蹴る。
「なに…って」
「答えんね!!」
更に強く蹴ると、烏崎が体育会系の条件反射で答える。
「馬と!大仏です!!」
「ないして、馬と大仏か」
「や、その…」
「こげん、あんべの悪か男ば監禁して、わいらは馬と大仏かぶっとか!!あ!?なんなんさぁが、馬ん乗ってひと足早めのお迎いかっ!?」
「や、こ、これは意味があったとかじゃなく、適当に選んできたというか…」
「てげてげ、ち……わっちぇか、にょんじゃのう、わいら!!」
「…にょん…」
「すんもはん、は?」
「……すん……?」
「どっなこっして、すんもはん、ち言わんか!!!」
今日一番の怒声と共に、ゴムの被り物をダン、と踏みつけると、奴らは背筋を伸ばして叫ぶように繰り返した。
「す、すんもはん!どっなこっして、すんもはん!!」
「ふん。てんがらもんじゃのう」
一息ついて、ふと、人の気配を感じて振り向くと
紺野さんと、柚木がぽかんと口を開けて、僕を見ていた……
「あっで…、い、いつからこけんおいやるね…いや、居たのですか!?」
「……よう、姶良…さん?」
……敬語だ!
「は、早かった…ですね、ひった…いや、びっくりしましたよ」
そろそろと、自分を『標準語モード』に引き戻す。いやいや、ひったまがったばい。
「写メを頼りに探す予定が…なんか不思議な言語による怒声が聞こえてきて…な?」
顔がかぁっと上気する。…バレた、田舎者なのがバレた!よりによって柚木にまで聞かれた!!僕のキレッキレ方言全開バージョンを!!
「………九州、男児」
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