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くらいくらい電子の森に・・・(誰も死ななかった編)
第二章
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けくそだ。どうにでもなってしまえ。
「お、なかなかM属性全開なチョイスじゃないか!よーしボンデージだな!」
ノリノリの紺野さんが限界ぎりぎりボンデージをクリックする。こかぽかこかぽかぽん、しゃららららららー……顔を上げなくても分かる。僕らは今、この店の注目の的だ。
……落ち着け、僕。今取り乱したら、僕の負けだ……
「お…おぉー、見ろ姶良!これやばいぞ!」
紺野さんの嬌声に反応して顔を上げた僕の目に最初に飛び込んできたのは、大事な何かがポロリとまろび出てしまいそうなラバーのブラと、ものすごい角度で股間に食い込む紐のようなラバーショーツだった。オプションの鞭と蝋燭を、もてあまし気味に振り回してみたりしているのが、なんか可愛い。
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「う…うおぉぉ……」
言葉を失う僕たちを、不安げな表情で見守るビアンキ。
「あの…どうしたんですか…?」
…何か言っているが、耳に入らない。
「こ…この真ん中のチャックを下ろすと、どうなっちゃうんだろう…」
「…気持ちは分かるが、そういう機能はついてない」
「こっ…この童顔なビアンキが、メイド服の下に…こんなけしからんボンデージを…じっ、実にけしからん!おしおきだ!」
「落ち着け!この場合おしおきを受けるのはお前だ!」
血走った目でディスプレイを凝視する僕たちに、ビアンキが恐る恐る声を掛けてきた。
「あの…ご主人さま…これ…似合い…ますか?」
「に、似合うよ!超似合うよビアンキ!!」
「……なんか、嬉しくないです……着替えちゃ、だめですか……?」
「……」
「……」
「……」
「……うん、ごめん……こっちの花柄ワンピースにしような……」
ビアンキの素の嫌がりように、ふと我に返る。
――何をやっているんだ、僕は……
僕はその後、自己嫌悪で講義を3日休んだ。
……今思い出しても、懐かしさと悔恨で胸が締め付けられる、この日の、この瞬間。
もっと、「気にしてあげる」べきだったな…と。
推理小説を読んでいて「あれ?ここなんか変な表現だな」と感じることがある。僕も、多分他の大多数の人たちも、その時はただ読み進めたくて、もっと続きが知りたくて、わずかな違和感は通り過ぎてしまう。そして物語の終盤になって気づくんだ。あの「違和感」こそが、真実の答えだった…って。僕はそんなとき「あー、やっぱりあそこ違和感あったんだよね!」…と、あたかも自分は謎を解いてたような気分になる。
だけど、僕がこの現場に居合わせた探偵だったら、連続殺人事件は藪の中なんだ。
そして最後の犠牲者は、僕の前にむごたらしい骸をさらすだろう。
最後に気がついても、もう遅い。最後の惨劇を許してしまった小説は、もはや推理小説なんかじゃない。
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