サトリ妖怪と破戒僧
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、私にもわかりません。ですが二人が間違ったことを言うと思えませんので、早く帰ったほうがよろしいかと」
何かを忘れているような気もするが、思い当たる節はない。まあ確かにあまり長くいるのもアレだろう。頭も痛いし、さっさと家に帰って寝るべきだ。まる一日開けてしまった。残してあった仕事を思うと別の意味で頭が痛い。
「そういうことなら私は変えるわ。じゃあね」
「ええ、さようなら。また機会があれば」
別れを告げ、重い頭で出口へと向かう。これからあの段差を降りていくのを思うと全く心が重い。
「ああ、飛べばいいのね……」
忘れていた。だが、この痛む頭で飛んで大丈夫なのだうか。空から虹色のシャワーを出さないとは思うが……念のため、歩いて帰ろう。
「あ」
「うん?」
そんな事を考えていると鼠の妖怪、ナズーリンと鉢合わせした。どうやら向こうは会いたくなどなかったらしく、複雑そうな表情を浮かべている。思い当たるのは昨日のことくらいだ。疑問を抱いたまま帰るのも居心地が悪い。聞けるなら聞いてみよう。
「少し聞きたいのだけれど」
「え、あー……あー、うん。何?(昨日のことじゃないといいなぁ。流石にあれは――)」
「昨日、何があったか教えて貰えない?」
それが間違いだったのだろう。心を読むよりも早く、ナズーリンの表情でそれが分かった。
「え、いやその。昨日は何もなかったかなー、何て。あはは(昨日は知らないほうがいいよほんと。だって君……って、やば、これ読まれ)」
「……え?」
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
epilogue
「ねえねえお燐、さとり様こないだからずっと出てこないけど、何があったのかな、かな?」
「あー、うん。何かあったんじゃないかな。例えばそう、黒歴史とか」
「うにゅ? 黒歴史って何?」
「認めたくない過ちってやつさ、お空」
「うにゅ。難しいね、お燐」
ゆらゆらとしっぽを揺らし、私、お燐はそう友人であるお空に応えた。
私たちの主、さとり様は数日前にちょっとした野暮用で地上に出て以来、ずっと引きこもり
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