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東方小噺
サトリ妖怪と破戒僧
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 少し体も冷えてきたところだ。ちょっと寄っていこう。

「ふぅ、いいお湯でした」

 出てきたばかりの聖とかいう僧の横を突っ切って浴室に突入。浴槽へダイブ。

「……って、何してるんですか!!」

 聞こえてきた声を無視して風呂を泳ぐ。泳ぎたいと思ったから泳ぐ。無意識のなせる技だ。

「お風呂で泳いで遊んではいけません!!」

 怒られたのでそっちを見る。少しくらいいいじゃないかと頬を膨らませる。
 お湯から出たばかりなのだろう。プンプン顔の聖の髪はまだ濡れ、体も軽くタオルを巻いただけだ。胸元の二つの大きな脂肪も顕になっている。
 ましゅまろのようにやわらかそうで、手に収まりきらない形のいい大きさの双丘。私怒ってますとばかりに腰に手を当てているもんだから予定強調されてぷるんふよんと揺れる。つい、自分のものと見比べてしまう。

ぽよん、ぽよん
スカッ、スカッ

「お腹なら負けないもん。あんたと違って贅肉なんかないもん」
「……あ?」

 ゾクリ。空気が変わる。聖の纏う雰囲気が様変わりする。笑顔なのに背後に般若が見えてくる。どうやら地雷を踏んだらしい。

「何があったか知りませんが、どうやら教育が必要なようですね……」

 怒られるのは好きでなはい。さっさと出なければ。

「聖、そいつを捕まえ――!!」

 聖がわなわなしている間に逃げねばならない。復活してきた鼠と聖に向かってロッドを全力スローイン。鼠の頭に刺さり、聖には捕まれ……あ、砕かれた。
 取り敢えずその隙をついてダッシュ。凄まじい勢いで薙ぎ払われた頭上をタッチの差で滑り込んで交わし、聖の横を抜ける。
 聞こえてきた爆音さながらの破壊音と衝撃を背中に感じながら、私は走る。水がぽたぽた、絹のような傷一つない肌の上を滑り溢れていく。水も滴るいい女がいた。私だった。

「ちょ、聖!!タオル脱げてます!! 服を着てくださ――」
「追いますよナズーリン早く」
「尻尾は掴むところじゃ……背中熱!! 熱いです!!」

 背後から聞こえてくる追っ手から逃げるように走る。飛んでくる弾幕を避けるためジグザグ走行を駆使しいくつもの部屋を通り抜けていく。部屋にいた人間の驚きの声をBGMにしつつ、ひたすらに逃げる。風は自由でなくてはならないのだから。
 だが流石は向こうのホーム。それに身体能力の差もある。段々と差が縮まっている。後ろを見れば般若がいる。生憎だが、地上の鬼とは知り合いではないのだ。捕まるのは御免被りたい。
 
「はぁ、はぁ、はぁ……」

 ああ、ここまで動いたのはいつ以来だろう。荒れる鼓動が、熱を宿した体が、周囲のものが愛おしい。軽くイってしまいそうである。
 シュイン。明らかに手加減していない弾幕が脇を掠る。良い刺激
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