サトリ妖怪と破戒僧
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おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』
「あ、うん。そう。まあいい、飲むのよー!!」
私、古明地さとりの音頭で適当に盛り上がる我ら。私も枡のお酒をぐいっと。ああ美味しい。ふらりふらりと体が揺れて、暑くなってくる。わー地面が揺れてる。手で仰ぐが全く涼しくない。ぐいっと胸元を開ける。風が抜けて少し涼しい。
「あ、そっか」
脱げばいいのだ。
「どしたのこいし?」
「暑いから脱ぐー」
「あひゃひゃ!! いいぞ脱げ、脱げ!!」
突如上がる脱げコール。期待に応えて脱いでいく。上着にスカートにブラウス、そして
「うふふふふふふふふふ」
一気に、は駄目だ。風情がない。こういうものは焦らすものだ。
ちゃんと両手でショーツに手をかけ、ゆっくりと息を吐きながら体を曲げ、ひと呼吸で膝まで。降ろしきってもいけない。ああ、いま後ろからみられたら……想像で顔が赤くなる。風が覆うものは何もない胸をくすぐる。
そこからゆっくりと片足ずつ。まずは左足から。最初はしっかりと立って半分。そして次は左足で立ち、不安定な体で少しずつ。一端踵にかけ、そこから軽く放る。
「はぅ……ん」
風に頂きを擽られ、甘い声が漏れる。なだらかな双丘、すらりとした肢体。風が阻まれるものなく上から下へと私の肌を一撫でする。生まれたままの体の私の誕生だ。靴下を残すのは礼儀。
まだ育ちきっていない体の私では、太もものあいだを風が通り抜けてしまう。ほんの僅かさえ遮るもののない空間。それが少し涼しくて、ついその三角地帯を抑えてしまう。
宴は一層盛り上がったようだ。気づかれないように、と抑えていた声も少し大きくなっている。皆の視線に晒され、白い肌に赤みが灯る。鼓動が、早くなる。
「はい、これどうぞ!」
「うふふ、ありがとー」
毘沙門天代理の虎妖怪から笑顔で渡された一升瓶。口に近づけ、先程までのとは違う香りが花をくすぐる。
「蜂蜜酒です。甘くて美味しいですよ」
「へー美味しそう」
花の蜜から出来た酒。透明な黄金でなく僅かに白濁しているのは、蜜だけでなく巣ごと砕いているからと別の日本酒を混ぜてあるからとか。その味を期待して口を付け一口。流れ込みこくりと小さな私の喉が鳴る。
わずかにドロリとした重さを感じる液体。舌を包み込むような蜜の甘さと喉を通る冷たさ。幻想の花の香りが沸き立ち、口を満たす。残った甘さについ舌を転がす。口の中に絡みついた甘い白い液体を削ぎ落とすように、一つたりと逃さないように歯に沿わせ絡め取り、こくり。そしてその味が忘れられず、また瓶を傾ける。こくり、こくり。
「きゃ」
虎妖怪に鼠が置いていった棒で肌をつつ
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