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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三幕 「予測もつかない世界で」
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いるとも思わない。女尊男卑的な発言も大して気にしてはいない。気にしてもしょうがないし。
ただ、今のままここにいて良いのだろうかという疑問は拭えない。何もできないし周囲に疎まれ迷惑しかかけていない自分は、この学園にとって邪魔な存在なのではないか?
ISに乗れない上に病弱な適性者なんて扱い辛いことこの上ないだろう。ならば自分は祖国にとってもIS委員会にとっても・・・ひょっとしたら、世界にとっても。
存在するだけで妨げになる“異物”であるならばいっそ――

「誰にも見つからない・・・誰にも迷惑を掛けない・・・そんな静かな場所に行けたらいいのに」

「考え事は結構ですが、このままでは授業時間に遅れてしまいますよ?」
「――え?」

ふと気が付くと、目の前には人の良さそうな顔をした用務員さんが立っていた。その存在に全く気付かなかったことに衝撃を受けるが、放たれた言葉の内容に更なる衝撃を受ける。

「・・・!!考え事をしている間にこんな時間に・・・?忠告ありがとうございます」
「いえいえ、遅れないように気を付けてね?」

返事を返さずにベルーナはもたつきながら走って個室へ戻る。その後ろ姿を見ながら用務員さん――轡木十蔵はぽつりと呟く。

「私から何もできないのが口惜しいですが・・・あなたが普通の学生として皆と過ごせる日が来ることを、私は祈っていますよ・・・」



 = = =



数分遅れて個室に到着した僕がモニターの先に見たものは・・・

『決闘ですわ!』
『望むところだ!』
『意地でも勝つからね!』

「・・・何がどうなった」

取り敢えず山田先生に何があったのかを聞いてみた。何でもクラス代表というのを決めることになり、クラスのメンバーが織斑と残間を推薦したのだという。(僕も推薦されたらしいが織斑先生が体調を理由に一蹴したという。ナイス!)しかしそれに難癖をつけて立候補した生徒が現れた。彼女の名はセシリア・オルコット、連合王国の代表候補生らしい。最初は「クラス代表という重要な役割をドシロウトに任せられるか」というごもっともな意見を言っていたのだが、途中に挟んだ「血筋や才能だけでどうにかなるほど云々」という話が男子二人の心の琴線に触れたらしく口論が勃発、今に至るそうだ。

「・・・・・・まぁ、僕には関係のない事か」

なお、ベルーナが遅刻したことは奇跡的に誰にも気付かれなかった。(山田先生は気付けたはずだが、ひょっとして見逃してくれたのかもしれない)



 = = =



セシリアさんが言った事は尤もだった。実際僕も一夏もISの経験はほとんど皆無に等しいのだから、むしろ助け舟と言ってもよかった。・・・その後の言葉がなければ。

「第一、身内が優秀だからといってその才能
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