第四十八話
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の物量とスピードを伴った規格外のソードスキルは、これ以上ないほど有効な不意打ちとなって全方位を覆うように俺を襲った。
「……チィッ!」
どんなに有効な不意打ちであろうとも、目の前で行われている限り《恐怖の予測線》は無事にその役目を遂行する。
俺の身体に伸びる予測線に向け、日本刀《銀ノ月》を放ってまずは二撃斬り払うものの、キリトの方が圧倒的に手数が多すぎていつかはこちらがジリ貧になると解る。
さて、どうするか……足刀《半月》を日本刀《銀ノ月》と併せて使えば、二本の剣をとりあえずは防げるし、今現在もそれで防いでいるのだが、それもキリトのこのスピードの前では焼け石に水だろう。《縮地》を使って逃げるというのも論外で、高速移動を使用する前の隙でも突かれてクリティカルヒット、俺は敗北する。
「だったらこれしかない……か!」
今の《縮地》の予備動作がどうのこうので思いついた、この状況で俺が選択した防御法は、予測線が現れる場所――つまり、キリトが攻撃のためのモーションを始める場所を突くことだった。
俺の《縮地》だろうと何だろうと、何かを始めようとする時には『予備動作』が必要だ……使うためには、特定の動きをしなければいけないソードスキルならばなおのこと。
俺が日本刀《銀ノ月》で狙うのはその『予備動作』であり、動きにはすべからく予備動作があるように、どのような動きだろうと予備動作を封じ込められてしまえば動くことは出来ない。
「そこっ!」
「……ッ!?」
それは相手がキリトだろうとここがアインクラッドだろうと、どこでも同じことであり、結果的に《二刀流》の片割れである黒い剣を封じ込めることに成功する。
今のキリトは、パンチをする前に腕を押さえられた、そんなような感覚になっていることだろう。
残りの片割れたる白い剣の方を防御するのは簡単で、ただ予測線が導きだす場所に足刀《半月》を置けば良いのだから。
どれだけ《二刀流》が厄介であろうと、その片割れを封じることが出来ていればただの片手剣と大差はなく、充分に見切りをすることは可能だった。
どちらかと言うと、黒い剣の予備動作を突き続けるという方がよっぽど大変なのだが、こういう細かいことは俺の得意分野だ。
……だがもちろんこの防御方法が成功するのは、俺が黒い剣の予備動作を突くのに成功することが前提条件だった。
「うおおおおっ!」
キリトの気合いと共に放たれた左の手から放たれようとした剣を、今までの26撃通りその予備動作を突こうとした俺の日本刀《銀ノ月》が、先に攻撃に使っていた右手に持っている黒い剣で弾かれた。
《恐怖の予測線》は俺への攻撃しか見ることは出来ず、ソードスキル発動中には他の動作は出来ないはずなので、俺の視界から
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