第四十八話
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ろうと思う。
そのままキリトに袈裟斬りを叩き込んでやろうとするものの、俺よりも遥かに筋力値の高いキリトには通じず、無理やり剣から弾き飛ばされてしまう。
クルリと空中を一回転しながらクナイをキリトに投げることで追撃を阻止し、そのまま安全に着地する。
……いや、その程度の小手先の足止めはキリトには通用しなかったらしい。
俺の顔面を五秒後に貫くはずだった《ヴォーパル・ストライク》をしゃがんで避けると、そのまま足から頭まで切り裂いてやるとばかりに切り上げるが、キリトの残ったもう一本の剣に防御されてしまう。
側面から迫り来るらしい、《ヴォーパル・ストライク》に使った剣からの追撃を避けると、一旦距離を取ることにした。
「キリト、このままじゃ埒が空かないと思わないか?」
「……確かにな」
どちらの攻撃も当たらないという、いわゆる千日手のこの状況も流石に飽きてきた。
俺は日本刀《銀ノ月》を隙が無くなるように構え直すと、俺はキリトに一つ提案を仕掛けた。
「こうしないか? 俺はここでキリトの攻撃を待つ。それでキリトは俺に全力の攻撃を叩き込んで、俺が斬り払いきったら俺の勝ちだ」
俺が提案したこの勝負は、俺から提案しただけあって、はっきり言うと俺が圧倒的に有利だった。
このままキリトと千日手が続くのであれば、《恐怖の予測線》の時間制限と高速移動術《縮地》の使用限度回数がある俺の方が確実に負けるだろう。
だがこの勝負に持ち込めれば、先読みと斬り払いならば俺の得意技であるし、キリトの《二刀流》の剣戟であろうと《恐怖の予測線》があれば先読みも更に未来予知の領域に達するのだから、回避する自信は大いにある。
「良し、受けた。そこ動くなよ」
しかしキリトがそんな俺の事情を知っている訳がなく――俺が斬り払いを得意としていることは知っているが――自分の《二刀流》のソードスキルのスピードに賭けたようだ。
ここで、第二の俺に有利な状況が出来上がる。
キリトがこれから使うソードスキルは十中八九、十六連撃技《スターバースト・ストリーム》……そのスピードと連撃は確かに脅威だが、グリームアイズとの戦いで俺はその技を『視ている』。
知っている技ならば避けることなど容易い。
そう判断した俺は、二刀を構えるキリトに攻撃してくるよう促した。
「さあ、来いよ……!」
キリトの返事は言葉ではなく、裂帛の気合いとソードスキル発動エフェクトに代えられた。
そして俺は戦慄することになる――《恐怖の予測線》で見る予測線が、スターバースト・ストリームの軌道を描いていないことを。
これは後から聞いた話だが、キリトがこれから放とうとしていたのは第二十七連撃技《ジ・イクリプス》――俺が予想していた技の倍近く
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