黄巾の章
第10話 「お、おの……れぇ!」
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イコウェーブを炎の塊として月下に掲げた。
「マグナ・フレアバースト!」
膨れ上がった一千度を超える超高熱の炎熱波。
その塊が、地上へ降りかかり……大爆発を起こす。
地上にいた黄巾たち千人の悲鳴をあげる間もなく、爆音にかき消された。
その爆発の余波は、山全体へと伝わったのである。
―― 馬元義 side ――
「何の音だ!?」
「わ、わかりません! 周囲が煙で、視界を遮られていて確認できません!」
「ええいっ! 無駄な火計などしおって! 一体なにをしたのだ!」
―― 孔明 side ――
「この音と揺れ――あ、あっちの空が赤い?」
「朱里ちゃん。たぶん、これが盾二様の合図だよ」
「う、うん。次の策です! 百名の騎馬は予定通りドラを鳴らしながら周辺を走り回ってください。敵が下山しそうならすぐに連絡を!」
「残りの人たちは私達と一緒に山を回りこんで、本隊と合流します。急いでください!」
―― 劉備 side ――
「な、なんや!?」
「お、おい、霞! あそこ……火柱があがっているぞ!」
霞ちゃんと翠ちゃんが指差す所。
あの炎は見たことがある。
あれはあのときの炎……
「翠ちゃん、霞さん! ご主人様の合図だよ!」
「なに!? あれがか!?」
「場所が違うやないか! あそこに砦はないで!?」
「ご主人様が言ってたじゃない、場所は関係ないって。合図があったら砦を攻めるのは予定通りだよ!」
「しかし……」
「絶対大丈夫! ご主人様を信じて!」
私は二人の眼を見て叫ぶ。
「……わかった。霞!」
「ああ! おまえら、いくで!」
「「「オオオオッ!!」」」
翠ちゃんと霞さんの号令と共に、砦へと向かって突撃する兵隊さんたち。
盾二さん、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん……みんな、どうか無事でいてね。
―― 唐周 side ――
「い、いったいなんですか!?」
「副官! 奇襲部隊がいた辺りに火が!」
「なんですって!?」
私は櫓に登り、斜面の方を見る。
そこにはまるで火山が噴火したかのような穴が、木々をくりぬいて存在していた。
周辺には生い茂っていたはずの森が焼かれ、湿気っているにもかかわらず火がチラチラと見える。
おそらく木々の上の方の乾燥していた部分だろう。
「いったいなにが……」
「副官! あちらを! 官軍の部隊が登ってきます!」
「!!」
そこには官軍の持っている松明の火が、ゆらゆらとこちらへ向かってきていた。
「くっ……すぐに応戦します! 矢にて牽制! 敵を近づけさせるな!」
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