戦闘校舎のフェニックス
第1話
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だ、誰だ!? 聞き覚えはない。しかし身近な存在のように感じる。
『そうだ。俺はおまえのそばにいる』
・・・・・・・・・誰だ? 周囲にあった教会は跡形もなく消えている。友人も両親も誰も彼もがいなくなっていた。
次第に、平衡感覚、触覚、視覚、聴覚もが消えていく。なんだ!? これはどういうことだ? それにさっきのは誰だ・・・・・・・・?
『俺だ』
目の前に、突然現れたのは、大きな目。血のように赤い瞳。耳まで裂けた口には鋭い牙が何本も生えそろっている。頭部には太い角が並び、全身を覆うのはマグマのような色の鱗。巨木のような腕、足。牙に劣らず鋭そうな爪。なによりも、大きく広がっている蝙蝠のような翼。
俺が知っている生き物に似ているのは―――ドラゴン。
『そうだ。その認識でいい。俺はずーっとお前に話しかけていた、だが、お前が弱小すぎたせいか、今まで俺の声が届かないでいた。やっとだ。やっとお前の前に出現できた』
こちらは口に出していないのに、目の前の存在はわかったらしい。こいつはなんだ?
『なんだ? とは随分ひどいじゃないか。これから共に戦う相棒なのに。俺はただ挨拶をしたかっただけだ』
相棒? なんのことだ?
『わかっているんだろう? なんとなく、そうかもしれないと思ったはずだ。そう、そうれでいい。俺はお前の想像通りの存在だ。いずれ、また話そう。なあ、相棒』
自分の左腕に視線を移すと、俺の腕は紅き鱗に包まれた異形のものになっていた。
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目を開けると、見慣れた天井だ。どうやら夢だったらしい。
左腕を見てみるが、異常はない。しかし、この腕に何が宿っているのかは理解している。
「兄さん、起きてる? リアス先輩もう来てるよ」
扉越しに渚の声が聞こえた。ハッ、と窓から下を見ると部長がいた。
「今、行く!」
渚に返事をして、速攻で寝間着からジャージに着替えた。
Side out
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Side 渚
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」
「ぜーはーぜーはー」
「ほら、だらしなく走らないの。渚を見習いなさい。あとでダッシュ十本追加するわよ」
僕と兄さんは早朝の住宅街を走っている。兄さんはすでにきつそうだ。
後ろからは、リアス先輩が自転車で追いかけている。僕は剣道部とはいえ運動部なのでまだまだ余裕だ。
「ハーレム王に俺はなる・・・・・・・ぜーはー・・・・・・・・」
――ズルッ!
「痛っ」
兄さんがつらい状況なのに、そんなこ
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