第六十九話 うわ! 話しかけないでっ!
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は舞台に上がって下さいね!」
不正はできねえってことだな。
やるつもりなんてねえけど。
確かにバトルを有利にしようと、誰かと交換したりはできなさそうだ。
でも、この玉ってずっと持ってんのか?
闘悟の疑問にまたまた答えてくれたのはモアだった。
「他の方々も、登録しますので、受付の方に集まって下さいね!」
なるほど、そこで玉を渡して登録するんだな。
そんじゃ、さっさと登録して試合を見るかな。
各国の代表者達は、一番見晴らしのいい、いわゆるVIPルームに集結している。
「さて、楽しみですな」
アーダストリンクの代表であるブラス王が言葉を放つ。
その後ろには息子であるギレンもいる。
「これほど活気づくとは、意外ですねぇ」
次に言葉を発したのは、シュレイエ王国の代表であるツートンである。
彼は大臣であり、恰幅(かっぷく)の良い体躯(たいく)をしている。
暑いわけでもないのに、その額にはうっすらと汗を流している。
「史上最大の『ヴェルーナ魔武大会』になる……ということですね」
この男はランブリタル王国の宰相(さいしょう)をしているディグナスだ。
実際は若いが、口元に生やしている髭(ひげ)のせいで、威厳のある顔つきになっている。
目つきも鋭く、狩人(かりゅうど)のような風格もある。
「そうは思いませんか……貴女も?」
ディグナスがもう一人の代表である者に声を掛ける。
「……」
しかし、その返事は沈黙だった。
外見は細身で、スタイルのいい女性だ。
彼女はキュッラといい、ザド王国王族の代表である。
空色の髪の毛を有していて、それを肩まで伸ばしている。
眼鏡を掛けて、無表情を装っているので、冷たい印象を与える。
何かを観察するようにジッと舞台を見つめている。
その様子を見て、怪訝そうな表情をし、息を吐いたディグナスは、彼女のように舞台に視線を送る。
「さあ、いよいよ祭りの始まりだ」
ギルバニアが楽しそうに笑う。
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