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トーゴの異世界無双
第六十八話 さあ、大会の始まりだぜ!
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テリアに「誰だ?」と聞いたが、ハロは本気で知らないみたいだった。


「あ、それは単にハロが覚えていないだけなのです」
「というと?」
「実は、ステリア様がこちらに来られたのは三年ぶりなのです」
「ああ、それで」


 三年ぶりだとすれば、ハロがステリアと会ったのは二歳の時だ。
 ハロが覚えていなくても無理は無い。


「もう、クィルったら、その様付けいつになったら取れるのよ?」
「え……えっと……」


 ステリアが口を尖(とが)らせて言うと、クィルが焦ったように目を泳がす。


「はぁ、もういいわ。気長に待つわよ」


 諦めたように溜め息を漏らす。
 クィルもホッとしたように息を吐く。


「ありがとうございますです。ですが、こちらも驚きましたです。まさかお二人がお知り合いでしたとは」


 ステリアがここに来る前、さらっとステリアから話は聞いていたものの、もっと詳しい話を聞きたいと思っていた。
 特に闘悟とステリアの出会いの話を細かく聞きたいと感じていた。
 それがどういった感情からくるものなのかは分からないが、自分が知らない闘悟をステリアが知っていることが、少し不安に感じたのも事実だった。


 それから三人は楽しそうに話をした。
 その後、起きたハロが仲間外れするなと怒りながら詰め寄ってきたので、宥(なだ)めるのに苦労した。





 そして迎えた大会当日。
 今日から三日間は予選が行われる。
 それで振るいに掛けられて本選出場者が選ばれる。
 今までは参加者数が少なかったため、予選も一日で終わっていたが、今回は大掛かりになっている。
 また、その予選の内容も出場者には知らされていない。
 その内容は、今日発表されるはずだ。
 だが、千二百人以上もいるので、どんな予選にするのか、誰もが楽しみにしていた。
 そして今、出場者達はヴェルーナの闘武場(とうぶじょう)に集結している。
 開催宣言を受けるためだ。
 皆の前に現れたギルバニア王が、太い筒のようなものを持って話す。


「この度はよく集まってくれた!」


 声が大きく響き周囲に行き渡らせる。
 ん〜いわゆるあれはマイクみたいなやつってところかな?
 そう思ったので、近くにいるカイバに聞いてみる。
 すると、筒の中には『拡音鉱石(かくおんこうせき)』という特殊な鉱石が嵌(は)め込まれているらしい。
 文字の如く、音を拡張させる働きがある。
 つまりは闘悟の判断通り、マイクの役割をしてくれている。


「ま、長ったらしい挨拶なんか面白くはねえ! そんじゃ始めるぜ!」


 ギルバニアがニヤッと笑って大きく息を吸う。


「ただ今から『ヴェルーナ魔武大会』
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