第六十八話 さあ、大会の始まりだぜ!
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
テリアに「誰だ?」と聞いたが、ハロは本気で知らないみたいだった。
「あ、それは単にハロが覚えていないだけなのです」
「というと?」
「実は、ステリア様がこちらに来られたのは三年ぶりなのです」
「ああ、それで」
三年ぶりだとすれば、ハロがステリアと会ったのは二歳の時だ。
ハロが覚えていなくても無理は無い。
「もう、クィルったら、その様付けいつになったら取れるのよ?」
「え……えっと……」
ステリアが口を尖(とが)らせて言うと、クィルが焦ったように目を泳がす。
「はぁ、もういいわ。気長に待つわよ」
諦めたように溜め息を漏らす。
クィルもホッとしたように息を吐く。
「ありがとうございますです。ですが、こちらも驚きましたです。まさかお二人がお知り合いでしたとは」
ステリアがここに来る前、さらっとステリアから話は聞いていたものの、もっと詳しい話を聞きたいと思っていた。
特に闘悟とステリアの出会いの話を細かく聞きたいと感じていた。
それがどういった感情からくるものなのかは分からないが、自分が知らない闘悟をステリアが知っていることが、少し不安に感じたのも事実だった。
それから三人は楽しそうに話をした。
その後、起きたハロが仲間外れするなと怒りながら詰め寄ってきたので、宥(なだ)めるのに苦労した。
そして迎えた大会当日。
今日から三日間は予選が行われる。
それで振るいに掛けられて本選出場者が選ばれる。
今までは参加者数が少なかったため、予選も一日で終わっていたが、今回は大掛かりになっている。
また、その予選の内容も出場者には知らされていない。
その内容は、今日発表されるはずだ。
だが、千二百人以上もいるので、どんな予選にするのか、誰もが楽しみにしていた。
そして今、出場者達はヴェルーナの闘武場(とうぶじょう)に集結している。
開催宣言を受けるためだ。
皆の前に現れたギルバニア王が、太い筒のようなものを持って話す。
「この度はよく集まってくれた!」
声が大きく響き周囲に行き渡らせる。
ん〜いわゆるあれはマイクみたいなやつってところかな?
そう思ったので、近くにいるカイバに聞いてみる。
すると、筒の中には『拡音鉱石(かくおんこうせき)』という特殊な鉱石が嵌(は)め込まれているらしい。
文字の如く、音を拡張させる働きがある。
つまりは闘悟の判断通り、マイクの役割をしてくれている。
「ま、長ったらしい挨拶なんか面白くはねえ! そんじゃ始めるぜ!」
ギルバニアがニヤッと笑って大きく息を吸う。
「ただ今から『ヴェルーナ魔武大会』
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ