第六十七話 やっぱ来たのかステリアよ
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そうなのだ。
ステリアの今の姿はその赤い髪に映えるような白いドレス姿だった。
綺麗な髪飾りもそうだが、王女らしく気品のある佇(たたず)まいのせいで、一瞬彼女がステリアだとは気づかなかったのだ。
以前会った時は、ローブを羽織り、その下は剣を携えた鎧姿だった。
そのギャップのせいで判断がつかなかったのだ。
「さすがは王女様ってとこか?」
「アタシはもっとラフな格好で来たかったんだけどね」
「いやいや、その姿も似合ってると思うぞ?」
「え? あ、そ、そう? えっと……はは、ありがとね!」
ステリアは頬を軽く染めながら綻(ほころ)ばせる。
その様子を見たクィルは少し眉を寄せる。
「ト、トーゴ様! わ、私はどうでしょうか!」
そう言って闘悟に詰め寄ってくる。
どうしてクィルがいきなり対抗するように聞いてきたのかは分からないが、闘悟は一応クィルの姿を見つめる。
う〜ん……いつもと同じ薄いピンク色のドレス姿なのだが……。
クィルは真剣な表情を向けてきているが、瞳をキラキラさせて、何かを期待するような視線を送ってくる。
「えっと……おう、いつも可愛いドレス姿だなクィル」
「そ、そうですか!」
花が咲いたように微笑む。
どうやら、喜んでくれたようで、闘悟はホッとした。
すると隣にいるハロも袖を引いて見つめてくる。
「ハロも激可愛いぞ!」
「げき?」
「とんでもなく可愛いってことだ!」
親指を立てて言う。
「そっかぁ! にししし!」
ハロも嬉しそうに笑う。
「トーゴ……アンタってロリコンなの?」
ステリアが犯罪者を見るような目で見てくる。
「待て! その目は止めてくれ! 俺はドノーマルだ!」
「……ホントに?」
「……そのはずだ」
「……ふうん」
ステリアはまだ疑わしそうに闘悟を見つめているが、その傍でクィルは顔を赤くしながらモジモジしている。
どうやら、例のトリップをしているようだ。
クィルはたまにこうなるけど……放っておいて大丈夫だよ……な?
「なあなあ、ろりこんってなんだぁ?」
「ほれ見ろステリア! お前のせいでハロが興味持っちまっただろうが!」
「アンタのせいでしょうが! このロリコン!」
「だから違えって言ってんだろ!」
この後は、仕方無くハロにロリコンの説明をすることになった。
もちろん本当の説明はしていない。
ただハロのことが好きな人のことをそう呼ぶとだけ教えた。
ハロは納得して「じゃあトーゴはろりこんなんだな!」と言って喜んでいた。
もう反論する気力もなかったので、いつか分かってくれるだろうと思い頷きを
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