第六十七話 やっぱ来たのかステリアよ
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「へ、へぇ……いい度胸してるじゃない」
「そう言われてもなぁ……知ってるかハロ?」
「しらないぞ!」
ハロは首を大きく振りながら否定する。
すると彼女はキッと睨みつけてくる。
「まだそんな態度とるつもりなら…………燃え散らすわよ?」
「ご、ごめんステリア! 冗談だって!」
ついつい、お茶目なジョークのつもりだったが、あんな表情されるともう無理だ。
だって、凄まじい殺気と、手には火を生み出しているんだぞ?
そんな状況でジョークを貫けると思うか?
少なくともオレは無理だ!
だってオレだって命は惜しいからな!
死なねえんだけども!
闘悟が冷や汗を滲ませながら言葉を放つと、ステリアは不機嫌そうに口を尖らせる。
「まったく! もう少しで灰にするとこだったわよ!」
そ、それは止めてほしい。
闘悟はジョークを止めて良かったと本当に思った。
「なあなあ!」
すると、ハロが仲間外れにされて怒ったのか、眉を寄せながら闘悟の袖を引っ張ってくる。
「だれなんだぁ? おしえろよぉ〜!」
「わ、分かったから! 教えるから引っ張んなって!」
ようやく大人しくなったハロは、闘悟の膝の上にチョコンと座った。
「コイツはステリア。クィルと同じくお転婆(てんば)王女だ」
「誰がお転婆王女よ!」
「そ、そうです! 私はお転婆なんかじゃありませんです!」
そうやってまた誰かがいきなり部屋に入ってきて叫んだかと思えば、その正体はクィルだった。
「にししし! そっかぁ! クーねえとおんなじおてんばなんだなぁ!」
ハロが嬉しそうにコロコロと笑う。
「お、おおクィルいたのか?」
「そ、それは……」
実はここまでステリアを案内したのはクィルだった。
知り合いだとはステリアに聞いていたので、積もる話もあるかと思い、部屋の中には入らず、様子を見ていたのだが、いきなり闘悟にお転婆と言われたので、我慢できずに突入してしまったのだ。
「おお! おてんばのクーねえだ! にししし!」
「も、もう! トーゴ様!」
ハロが自分のことをお転婆王女と認識してしまったことに腹を立てる。
「そうよ! 取り消しなさいトーゴ!」
今度はステリアが指を突きつけてくる。
「あはは! 悪い悪い!」
そこから闘悟は二人に謝り、何とか許しを得た。
「ま、でも最初気づかなかったのはホントだぞ?」
「ん? どういうことよ?」
「だってよ……」
闘悟はそう言いながら、彼女の体に指を差す。
「……何なの?」
「その格好だよ」
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