ALO編
episode4 悟る真理の一角
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ことだ。少なくともブロッサムは、俺が『SAO生還者』だと言うことを知っていて……恐らくは、あの世界での俺の戦闘スタイルも、熟知している。
無差別にこのことをバラされては堪らないし、もしかしたら『俺の倉庫の中』まで知られているかもしれないのだ。あのバグデータの群れが明るみに出されれば、一発でエラー検出プログラムにひっかかるだろう。そもそも今も弄らずに安置しているからまだ無事なのであって、この先も無事な保証はない……が、今ここで消去されるのは、出来れば避けたい。
あーくそ。
「……わーかったよ、連れてきゃいいんだろうが……ってか勝手についてきやがれ……」
「やったー!!!」
「なんでテメーまでついてくる前提なんだよ!?」
『モモカさんは、この世界の随意飛行のシステムやアイテム、各地の勢力情報に詳しい方です。自分は『随意飛行』は苦手ですし、自分はこの通り周囲とのコミュニケーションが出来ませんから、彼女の同行を求めます』
「……あーもう好きにしろや……」
結局もう、既に俺は敗北者なのだった。情報においても、戦闘においても。
というかそもそも、三人部屋の個室(珍しいことにここの店はレストランに個室用のブースがあった)に、女二人に連れ込まれた段階で俺に勝ち目は無かったよなあ……と、あの世界に思いを馳せる……が、もう入ってしまった後。ああ、これが「あとのまつり」、という奴か。
―――口は、女の方が上手い。
―――そして、言い出したら女は引かない。
こいつは昔母さんが教えてくれたことだったか。
それが今身に染みて分かった、真実だ。
俺は今、この世の真理の一つを悟ったかもしれん。
……とにかく。
三人部屋の個室に、俺のふかーいため息を響かせて。
「あーあー。分かった、分かったから。今日は、もう落ちるから、明日な」
「ええっ! もう落ちちゃうんですか?まだ一緒に街とか回りたいんですが……」
『では自分も、もう落ちます』
言うが早いか、ブロッサムがログアウトする。ここはログアウト者を自動で横の休憩テントに転送してくれるらしく、その体は自動モードで動いて取った部屋へと歩いていった。間髪いれない撤収に二人で顔を見合わせて、
「ってか、テメー俺のことべらべら喋るなよ? 記者ってばれるといろいろ面倒なんだよ、この仕事は。テメーだって自分のリアルとかばらされたら困るだろうが……」
「へ? シドくんの知り合いじゃないの? 私はここ数日、「体術を操る新参のプーカを知らないか」って聞き込みしてるレプラコーンがいるって聞いてね、話してみたら「同行して貰えるように交渉する」って言ってくれたからついてきたの。だからてっきりキミの知り合いだって思ってたけど
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