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第十三話 自分の道
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だ!!」

感情的に思わず叫ぶ。
納得できなかった。
皆の死に意味があるという事に。

何で殺されなくちゃいけなかったんだ。
何で俺じゃなくて皆を狙ったんだ。

そんな言葉が頭の中をグルグル回り続けている。

「坊主、お前が此処で死んだとして何になる。それが死した者達への罪滅ぼしにでもなると思っているのか?それは死者に対する侮辱でしかない。生き残った者たちは、その者達が生きた証を築いていかなくてはならん。今は悼み、涙を流せ。だが、それを悔やむな。
前を見ろ。
死を受け入れ、それでも前に進む事が今のお主のする事じゃ」
「死を……受け入れる?」

頭の中が大きく揺さぶられる。
今まで直視できなかった物が、目の前に叩きつけられた。

「俺はどうすればいいんだ」

思わず口からそんな言葉が零れおちた。
目の前にいる男は強い。
俺なんかよりも、圧倒的に。

だからそんな事が言えるのだ。

俺には……。

俺のせいで死んだんだ。
皆の死を受け入れることなんてできない。

「坊主、お前がこれからどう生きようがそれはお主が決める事。誰が口をはさむ訳でもない。だが、それはお主の選ぶ道。自分で切り開くべき道なのだ」
「……俺が、切り開く道?」
「うむ。お前の進む道を決めるのは誰でもない、お主自身なのだ。これから死人同然に生きるも、此処で自害するも、お主の決める事。だがこれだけはいっておく。後悔だけはするな。自らの生きた道に誇りを持て。それはお主が自分自身で決めた道なのだからな」
「……俺は…」

男の言う事に俺は反論できなかった。
男の言っている事は強者の理論だ。
俺のような人間に真似が出来るようなことではない。

だけど…。
言い返せない。

男の言葉は何故か俺の胸に深々と突き刺さり、反論を口にする事が出来なかった。

「まぁ、坊主の歳でそこまでやれとは言わん。ただもう少し考えてみても良いのではないか?」

男はそう言うと、どっこらせと立ち上がり戦車へと再び乗り込んだ。

「ではな坊主。生きていたら再び合間見えようぞ」

男はそう言うと、二頭の巨牛に手綱を入れた。
牡牛は大きく轟くと、電気を放ちながら虚空へと駆け上がる。

「さらば!」

雷の音と共に、男と戦車は空の彼方へと駆け去っていた。

俺はその姿を見つめながらただしばらく、その場から動く事が出来なかった。

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あれから何時間経ったのかは分からない。

ただ、俺はいつの間にか宿の扉の前に立っていた。

幸運にもあのままフィールドには、モンスターの一匹も出ず、俺は無事に帰る事が出来たらしい。

俺は扉のドアノブに手を掛け、中に入ろうとする。

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