第十三話 自分の道
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人間とサーヴァントとの力量差。
改めて俺はその理不尽な差を目の前に叩きつけられた。
俺だって攻略組にいるプレイヤーの一人だ。
実力もゲーム内ではトップクラスだと自負している。
加えてサーヴァントを連れているという最大のハンデ。
いつの間にか俺はあの時、大きな慢心を心に抱いていた。
セイバーが居るからといって俺は、自分が強いと勘違いしていた。
でもそれは違う。
サーヴァントはあくまでサーヴァント。
アサシンの強襲。
それは遅かれ早かれ起こると予想出来ていた事かも知れない。
だってこれは戦争なのだから。
俺の隙を狙う事は充分予測できていたのだ。
それを俺は……。
胡坐をかいたまま両手を強く握りしめる。
俺のせいだ。
全部俺の……。
「おいおい坊主。だんまりじゃ何も伝わらんぞ。なんか言わんか」
ふと気づけば男が戦車から降り、俺の目の前でしゃがみこんでいた。
俺は男の顔を見る事が出来ないが、おもむろに口が開く。
「全部……俺のせいなんだ。俺が…皆を殺したんだ……」
自分の意思に反してポツリポツリと言葉が出る。
何故だかは分からない。
この男の威圧感に押されたのか、それとも自分の気持ちを素直に誰かに聞いてほしかったのか。
だがそれ以上言葉は出なかった。
「お主、人を殺めた……という訳でも無さそうじゃの。さしずめ仲間を見殺しにしたか、それとも巻き込んだかといったところかの」
男はそう言うと俺の目の前にドカリと腰をおろし、再び口を開いた。
「なるほどのぉ。どうりでお主、抜け殻のような表情をしてると思ったわ」
顎鬚をなぞりながら男は言った。
そして、男は先程までの思案顔から一転すると、途端に厳しい顔つきに変わった。
「それで、お主はあそこで何をしておった。まさか死に場所を探しておったか?」
「……俺には、生きる資格なんかない、もう消えるんだ。あんたもほっといてくれ」
「……」
男は厳しい表情で俺を見つめたままだ。
黙って俺の話を聞いている。
「意味なんて無かったんだ……全部……無意味だった……」
「戯け!!!!!!」
男の声が木霊した。
あまりの大声に俺も思わず顔を跳ね上げる。
「意味がなかった?この世に意味のない物など一つもない」
男は立ち上がると俺を見下ろしたまま話し始めた。
「いいか、この世に起こる出来事はすべて何かしらの意味がある。死した者たちの死にも何かしらの理由がある。そのすべてを知ろうともせずに自ら断ち切るなど、愚者のする事だ。それは死者に対する愚弄である!!」
「意味……だって。じゃあ…皆が殺されたのはなんでだよ!!奴、俺を直接狙えば良かったのに。何で殺されなくちゃいけなかったん
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