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第十三話 自分の道
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彼女は何も口を挟まなかったのだ。

だけど、今の俺では何も考えられなかった。
俺はそんなに大人じゃない。

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宿に戻っても、俺の心は晴れないままだった。

何も救えなかった。
無意味だった。
すべてが無駄だったのだ。

まるで雪崩のように俺の心は崩れ始めている。

今この部屋には俺だけしかいない。
セイバーは、俺を一人にするために別の部屋で待機している。

そう、俺一人なのだ。

もう……俺の心は一人ぼっちだ。

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気が付くと、俺はフィールドに出ていた。

俺の周りには、無数の白色の虎達が取り囲んでいる。

いつもなら隣にいるはずのセイバーは、今はいない。
俺が制したのか、気付かれずに出て行っただけなのかは分からない。

ただ、俺は知らず知らずのうちに行動していたらしい。

ふと、意識を戻すと虎達は一斉に俺に跳びかかってきた。
俺は奴らに対し、滅茶苦茶にスキルを発動させ、切り捨てていった。

虎達は呆気なく断末魔を轟かせて消えて行った。

だが、数が多い。

奴らは群れで行動するのか、その数はどんどん増えていく。
体力が持たない。


もうこれで、お仕舞にしてもいいじゃないか。


俺の心の中でそんな声が反響する。


もうみんなは生き返らない。
もう俺は一人ぼっちだ。


そうだ、一人ぼっちだ。


ならここで終わってもいいじゃないか。


そうだ、ならここで終わりにしよう。


俺はそう考えると、ゆっくり構えていた剣を下した。
それと同時に虎達が俺目がけて飛びかかってくる。

すべてを委ね目を閉じた。

と、その時だった。

「何だ?」

いきなりの轟音が無音を破壊した。
突然の出来事に、虎達もその場に這いつくばる。

「AAAAAAAAAAALaLaLaLaei!!!」

轟音のつぎは、とてつもない大声が辺りに響き渡った。
俺はその声の方向へと目を向ける。

そこには、古風な戦車があった。
無論ただの戦車ではない。

そこには、巨大なたくましい筋肉を持った二頭の牛が戦車を走らせているのが見えた。
それが空中を駆けながら近づいてくる。

しかもただ浮いているわけではなく、牛の歩みと車輪に紫電を迸らせている。

空を翔る二頭の牛は戦車と共に居丈高に頭上を旋回しながら速度を緩め、地上に降りてきた。

車に乗っている騎手の姿が確認できる。

かなりの巨漢だ。
筋骨隆々の肉体が遠目にもわかる。
燃えるような赤髪の下にある赤い瞳で周囲を睥睨している。
その口元には不敵な笑いがあった。

「なんだぁ坊
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