第5話 ロアキア動乱1
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細なことであった。
書類なんぞ見たくも無いというのもあるのだろう。
「シュトライト、後は頼むぞ!」
そう言って執務室から出ていくアドルフ。
残ったシュトライトは大きく溜息をついた。
* * *
ウェスタディア王国の首都星ウェリンにある王宮。
その会議室に5名の人物が集まっていた。
ウェスタディア王国の統治は女王であるルシリア・ラデュ・ウェスタディア1世以下、
宰相アルベルト・アルファーニ
軍務卿ロンギ
内務卿ブラマンテ
財務卿ベリーニ
の5名による合議制でなされている。
今日の会議は、第二次ガイエスブルク要塞攻防戦におけるロアキア統星帝国の敗北についてであった。
「よもや、あのロアキアがこうまで立て続けに敗れるとはな……」
ウェスタディア王国は過去にロアキアと2度矛を交えている。
ラミアム領のストリオン星域で行われたストリオン星域会戦。
シャムラバート領で行われたシャムラバート広星域会戦。
どちらも戦略的にはともかく、戦術的には敗北していたと言っても良いだろう。
ストリオン星域会戦ではアルファーニの奇策によってロアキアの包囲を脱した。
シャムラバート広星域会戦ではティオジア連星共同体の発足とトラベスタの救援が間一髪で間に合い、結果的にロアキアが退いたことで全滅を免れた。
そのロアキアが連敗している。
仮に、ロアキアが潰れた暁には銀河帝国の次の標的は辺境13ヵ国になるだろう。
そうなっては目も当てられない。
「しかし、銀河帝国軍が如何に強いといっても餓えには勝てまい。ロアキアが大国としてのプライドを捨てて補給路の遮断を行えば容易に追い返せるのではないか?」
「確かに普通ならそうです。ですが……」
屈強な軍とて武器弾薬や食料が無ければ恐るるに足りない。
守り側が侵攻軍の補給を断つのは戦の常道である。
しかし、補給拠点そのものが要塞として移動してくるなら話は違ってくる。
それも巨砲を兼ね備えた難攻の要塞と共に……だ。
アルファーニがそれを説明すると、皆一様に苦い顔になった。
第二次ガイエスブルク要塞攻防戦に銀河帝国が投入した戦力は70000隻を超え、これはティオジア連星共同体の総戦力に匹敵する数でもある。
それだけの動員能力に補給拠点を兼ねる移動要塞。
「ロアキアはどうなるのでしょう?」
「オリアス皇子は実力によって実権を握りました。しかし、銀河帝国という未知の国家が現れオリアス皇子を下した。これは銀河帝国にはロアキア最高の実力者であるオリアス皇子でさえ及ばないことを意味します」
「つまり、裏切り者が出る……か」
「はい、統星帝を幽閉して権力を掌握したオリアス皇子を内心快く思ってない貴
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