暁 〜小説投稿サイト〜
少女1人>リリカルマジカル
第二十九話 少年期K
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
っているのだろうか。

 そんな俺の様子を静かに見ていた副官さんは、書類を整理していた手を止める。そして、そのまま机の上に紙の束を置き、俺の座っていたソファの向かい側にドカッと座ってきた。それに目を丸くした俺を一瞥しながら、おもむろに口を開いた。


「なぜそこまでロストロギアのことを調べる必要がある」
「え、なんですかいきなり」
「ロストロギアを専門に扱っているのは主に「海」だ。だがお前はわざわざ「陸」で調べものをしている。局の情報データは統一されているが、普通は「海」の方に出向くものだろう」
「いや、ぶっちゃけ「海」に伝手がなかったものですから」
「つまり伝手ができていればそっちに行っていたと……」

 あの、副官さん。目からハイライトを消さないで下さい。決して「陸」を落としたつもりはありませんし、「海」を持ち上げているつもりもありませんから。もともと管轄の違いはありましたし、今はこっちに頼れてよかったと思っていますので。

 それにしてもこの人の「海」嫌い――本局嫌いは相変わらずだなぁ、と思いながら俺は必死に弁解する。そういえば、原作というか2次小説で「陸」と「海」があまり上手くいっていないという描写があったような気がした。

 時空管理局には通称「陸」と「海」と呼ばれる主に2つの部隊がある。原作で一番出ていたのは「海」の方で、ハラオウン家、そしてなのはさんたちは第3期までこちらに属していたはずだ。俺なりの解釈だけど、「海」は次元世界という時空の海全体を守る組織のことで、「陸」はその海にある世界に実際に足をつけて、それぞれの島を守る組織という認識をしている。どっちも大切な役割だ。

 不仲の理由も色々あったと思うけど、詳しくは覚えていないな。同じ組織の中なのに、仲が悪いってあんまり良いとは思えないけど。俺1人に何かできるとは思わないので、本当に思うだけだが。総司令官達だってそれはわかっているはずだし、わかっていてもできない現状があるのだろう。

「……今から、海の方に伝手を用意すると言えばどうする」
「そんな海の部分を嫌そうに言わなくても。あぁー、いえ、とりあえずお気遣いありがとうございます。でもそこまでしてもらわなくても大丈夫です」

 というより、これ以上このことが広まって欲しくないんだよね。家族に気づかれるかもしれないし、不審な行動をしている自覚はあるから。俺の目的は管理局そのものというより、管理局が保有している情報や施設の利用だ。今更海に伝手を作っても、今のところメリットが思いつかない。

「あんまり表だっていえることでもないですから」
「つまり公にするつもりはないと」
「……あの、副官さん。俺のことについては一切問わないと決めたはずですよね」

 言葉に棘が出てしまったかもしれない。でも
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ