第二十九話 少年期K
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っているのだろうか。
そんな俺の様子を静かに見ていた副官さんは、書類を整理していた手を止める。そして、そのまま机の上に紙の束を置き、俺の座っていたソファの向かい側にドカッと座ってきた。それに目を丸くした俺を一瞥しながら、おもむろに口を開いた。
「なぜそこまでロストロギアのことを調べる必要がある」
「え、なんですかいきなり」
「ロストロギアを専門に扱っているのは主に「海」だ。だがお前はわざわざ「陸」で調べものをしている。局の情報データは統一されているが、普通は「海」の方に出向くものだろう」
「いや、ぶっちゃけ「海」に伝手がなかったものですから」
「つまり伝手ができていればそっちに行っていたと……」
あの、副官さん。目からハイライトを消さないで下さい。決して「陸」を落としたつもりはありませんし、「海」を持ち上げているつもりもありませんから。もともと管轄の違いはありましたし、今はこっちに頼れてよかったと思っていますので。
それにしてもこの人の「海」嫌い――本局嫌いは相変わらずだなぁ、と思いながら俺は必死に弁解する。そういえば、原作というか2次小説で「陸」と「海」があまり上手くいっていないという描写があったような気がした。
時空管理局には通称「陸」と「海」と呼ばれる主に2つの部隊がある。原作で一番出ていたのは「海」の方で、ハラオウン家、そしてなのはさんたちは第3期までこちらに属していたはずだ。俺なりの解釈だけど、「海」は次元世界という時空の海全体を守る組織のことで、「陸」はその海にある世界に実際に足をつけて、それぞれの島を守る組織という認識をしている。どっちも大切な役割だ。
不仲の理由も色々あったと思うけど、詳しくは覚えていないな。同じ組織の中なのに、仲が悪いってあんまり良いとは思えないけど。俺1人に何かできるとは思わないので、本当に思うだけだが。総司令官達だってそれはわかっているはずだし、わかっていてもできない現状があるのだろう。
「……今から、海の方に伝手を用意すると言えばどうする」
「そんな海の部分を嫌そうに言わなくても。あぁー、いえ、とりあえずお気遣いありがとうございます。でもそこまでしてもらわなくても大丈夫です」
というより、これ以上このことが広まって欲しくないんだよね。家族に気づかれるかもしれないし、不審な行動をしている自覚はあるから。俺の目的は管理局そのものというより、管理局が保有している情報や施設の利用だ。今更海に伝手を作っても、今のところメリットが思いつかない。
「あんまり表だっていえることでもないですから」
「つまり公にするつもりはないと」
「……あの、副官さん。俺のことについては一切問わないと決めたはずですよね」
言葉に棘が出てしまったかもしれない。でも
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