第三章
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「それで他にだよ」
「他にもか」
「他にも出すんだな」
「そう、そうするから」
こう言ってなのだった。そしてだ。
彼はあらためて本命のプレゼントについて考えるのだった。放課後もだ。
放課後にはだ。彼は商店街に行った。そこでだ。
色々なアクセサリーに服を見た。しかしだ。
どうしてもこれといったものがなくだ。商店街の店という店を歩き回った。そうしてだ。
とにかく歩いて回ってしてだ。結論が出ずにだ。
困っていた。丁度女の子用のアクセサリーショップ、可愛いものがこれでもかと売っていて女の子達も溢れているその中でだ。様々なアクセサリーを見ていた。
しかしここでだ。彼の後ろからだった。声がしてきたのだ。
「どうしたの」
「えっ?」
その声の方を見るとだ。そこにはだ。
麻美がいた。にこりと笑って言ったのである。その彼女を見て狼狽することしきりの龍輝だった。だがそれを表情に出すことは一瞬で抑えたのだった。
「麻美ちゃん?」
「どうしたの?一体」
「いや、ちょっとね」
当人がいてはだ。ここに留まる訳にはいかなかった。ましてやだ。
当人にここにいる理由も言えなかった。それでだ。
彼はまずは必死に頭の中で理由を考えた。そのうえでだ。麻美に話したのである。
「妹がこういうの好きだから」
「ああ、輝子ちゃんね」
麻美も知っている娘だった。彼の妹の一人だ。彼には妹が三人いるのだ。
「そういえばあの娘可愛いもの好きよね」
「それで入ったんだ」
内心かなり狼狽しつつも表情は冷静さを保っての言葉だ。
「実はね」
「ふうん、それでここにいたのね」
「そうだったんだ。それで麻美ちゃんはどうしてここに?」
「私は智秋さんのお付き合いで」
「ああ、高橋先輩ね」
麻美の部活の先輩だ。その彼女のお供だというのだ。
「それでなの」
「成程、それでだったんだ」
「うん。じゃあ今はね」
「先輩のお供だからだね」
「先輩のところに戻るから」
そうすると言ってだ。そしてだ。
彼女は笑顔で龍輝に別れを告げて。それでだった。
ひらりとその細い身体を翻して去っていく。だがここでだ。
その動きに合わせてなびく絹の様な黒髪を見てだ。龍輝はだ。
一瞬息を飲んだ。その動きと光沢に。そしてだった。
プレゼントは何がいいかわかった。それで麻美が店からいなくなったのを見届けてからだ。
そのうえでだ。あるものを買った。そうしたのだ。
そして麻美の誕生日にだ。彼女と放課後に二人で下校デートをした。その中でだ。
何気なくを装ってだ。彼女に言ったのである。
「今からね」
「今から?」
「うん、ちょっと寄って行かない?」
こう麻美に言ったのだった。
「面白い場所にね」
「面白い場所って」
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